「両親を札幌旅行に連れていってあげたいけど、長距離を歩くのは体力的に難しいかな…」「自分自身、昔のように歩き回る自信がなくて…」
そんな想いや、少しの不安から、大好きな札幌への旅行計画をためらってはいませんか。
私自身も40代になり、高齢の両親との旅行を計画するたびに、同じような悩みに直面します。
北海道の中心都市・札幌は、本当に魅力的な観光地で溢れていますが、その広さゆえに移動距離や、季節ごとの天候の変化が気になりますよね。
特に、高齢者がなるべく歩かなくてすむ旅行と考えると、どこに行けば良いのか、どうやって移動すれば良いのか、迷ってしまうお気持ち、とてもよく分かります。
でも、もう悩まなくても大丈夫!
札幌は、少しの工夫と事前の情報収集で、体力に自信がない方でも心から満喫できる、日本でも有数のアクセシブルな街なのです。
この記事では、あなたの不安を解消し、最高の思い出作りをお手伝いするために、高齢者の旅行スポットとしての札幌を徹底的に掘り下げました。
具体的な高齢者の札幌旅行モデルプランを、無理なく選べる体力別コースで考えました。
また、移動の要となる高齢者の札幌タクシー観光の賢い使い方から、札幌駅のバリアフリー情報、安心して過ごせる高齢者向けホテルや高齢者向けレストランの選び方まで、実践的な情報を網羅しています。
さらに、厳しい札幌の冬の観光を暖かく楽しむコツや、札幌の夏を涼しい場所で快適に過ごす方法、そして意外と知られていない高齢者が避けるべき観光地とその攻略法、旅行前に必ず確認したい高齢者の札幌旅行の注意点まで、この記事一本でまるっと分かるように、私の経験も交えながら詳しく解説していきます。
さあ、一緒に最高の「歩かない札幌旅行」を計画しましょう!
高齢者が歩かない旅行【札幌】を満喫する方法
- 高齢者向け札幌旅行の体力別モデルプラン
- 高齢者も楽しめる札幌の体力別コース3選
- 高齢者におすすめの札幌お出かけスポット
- 高齢者も安心の札幌タクシー観光ガイド
- 札幌の冬でも高齢者が楽しめる観光プラン
- 高齢者も涼しく過ごせる札幌の夏の観光
高齢者向け札幌旅行の体力別モデルプラン
体力や旅の目的に合わせて選べる3つのモデルプランをご紹介

札幌旅行の計画を立てる上で、もしかしたら最も大切なことは、「何を見るか」よりも「誰と、どんなペースで時間を過ごしたいか」を考えることかもしれません。
特に、ご高齢のご家族と一緒の旅や、ご自身の体力と相談しながらの旅では、無理のないスケジュールこそが、最高の思い出を作るための土台になります。
以前、私がまだ若かった頃、良かれと思って両親を連れた旅行で観光スポットを1つでも多く巡るスケジュールを立ててしまったことがあります。
「せっかく来たのだから、あれもこれも見せてあげたい!」という気持ちが先走ってしまったんです。
結果として、両親は移動だけで疲れてしまい、観光地に着いても「ちょっと座りたい…」と喫茶店に入り、計画も何もなくなってしまいました。。。
その時の申し訳なさと後悔は、今でも忘れられません。
旅の満足度は、訪れた場所の数ではなく、そこで過ごした時間の質や、心から「楽しいね」と笑い合えた瞬間で決まるのだと、その時痛感しました。
そんな経験から、ここでは旅行に参加される方の体力や、その日の気分に合わせて柔軟に選べるよう、具体的な3つのモデルプランをご提案します。
それぞれのプランでは、1日の活動時間の目安、主な移動手段、そしておおよその歩行距離まで、できるだけ具体的に想定しています。
「今日はホテルでゆっくりしたいから、このプラン」「少し元気があるから、あそこまで足を延ばしてみようかな」というように、ご自身のコンディションと相談しながら、ぴったりのプランを見つけてみてください。
次の章では、それぞれのプランの具体的なコース内容を、時間軸に沿って詳しくご紹介していきますね。
高齢者も楽しめる札幌の体力別コース3選
3つの具体的なモデルコースで、札幌旅行のイメージを膨らませてみましょう。

ここでは、前章でお話しした考え方に基づき、体力レベルや旅のスタイルに合わせて選べる3つの具体的なモデルコースをご紹介します。
「これなら私にもできそう!」「この日は母の体調が良さそうだから、このコースにしてみようかな」というように、ご自身の状況に当てはめながら、旅の計画を具体的に描いてみてくださいね。
どのプランも、移動の負担を減らし、札幌の魅力を無理なく味わえるように工夫してあります。
・体力に自信がない方
・ホテルでゆっくり過ごしたい方
・観光は1箇所でじっくり派
・普通に歩ける方
・主要スポットは見たい方
・午後は体調で選びたい方
・体力に自信がある方
・朝から晩まで楽しみたい方
・グルメも観光も全部派
🛋️ ゆったりプラン(体力に自信がない方・ホテルでの時間も大切にしたい方向け)
1日の外出を2〜3時間にぎゅっと凝縮し、観光のメインは1箇所に絞ることで、身体への負担を最小限に
移動はすべてドアツードアのタクシーを利用。
「観光もしたいけれど、せっかくなら素敵なホテルでのんびり過ごす時間も旅の醍醐味」と感じる方にぴったりの、心と体に優しいコースです。
【モデルコース例:午前または午後の半日集中観光】
(滞在30分)
(2時間30分)
- 10:00 ホテル出発
朝は慌てる必要は全くありません。
ホテルの美味しい朝食をゆっくりと味わい、部屋で一息ついてから、タクシーで優雅に出発しましょう。 - 10:10 札幌市時計台に到着(タクシー料金目安:約700円)
札幌駅からならタクシーでわずか5分ほど。
まずは、札幌の象徴的な建物の前で記念撮影を楽しみましょう。
実は、時計台は外からその美しい姿を眺めるだけでも十分に価値があります。
無理に中に入らなくても、「札幌に来たんだな」という実感をしっかり得られますよ。(滞在目安:30分) - 10:45 札幌駅へ移動
再びタクシーに乗り、札幌観光の拠点、札幌駅へ向かいます。
ここから先は、天候を一切気にする必要がないのが嬉しいポイントです。 - 11:00 札幌駅ビル内で楽しむ「インドア探検」
駅直結のJRタワーや大丸札幌店は、まさに「全天候型の観光施設」。
バリアフリーも完璧で、安心して過ごせます。- JRタワー展望室T38
エレベーターで一気に地上160mの別世界へ。
椅子に座って、眼下に広がる札幌の美しい街並みや、遠くに連なる山々をのんびりと一望できます。
併設のカフェで、絶景を眺めながらお茶をする時間は、最高の思い出になるはずです。 - デパ地下でお土産探し
大丸札幌店の地下食品街「ほっぺタウン」は、北海道の美味しいものが一堂に会する食の宝庫。
歩き回らなくても、有名店の銘菓から海産物まで、効率よくお土産を探せます。
試食ができるお店も多いので、味を確かめながら選ぶのも楽しいですね。 - 駅ビルでの昼食
レストランフロアには、お寿司、天ぷらなどの和食から、落ち着いた雰囲気の洋食店まで、様々なお店が揃っています。
移動の手間なく、その日の気分で食べたいものを選べるのが大きな魅力です。 - 14:00 ホテルへ帰着
楽しかった半日観光を終え、早めにホテルへ。
午後は、部屋でゆっくりお昼寝をしたり、ホテルのラウンジで読書をしたりと、ご自身のペースで贅沢な時間を過ごしましょう。
- JRタワー展望室T38
ポイント
このプランを成功させる最大のコツは、「完璧を目指さない」ことです。
旅行に来るとつい「あれも見なきゃ」と頑張りすぎてしまうことがあります。
でも、後から一番心に残っているのは、意外とホテルの部屋で何気ないおしゃべりをした時間だったりするものです。
もし体調が良い日があれば、午後に少しだけ赤れんが庁舎の外観を見に行く、といったプラスアルファを楽しむくらいの気持ちでいると、心に余裕が生まれて旅がもっと豊かになりますよ。
🚶 スタンダードプラン(普通に歩けるが、長距離や人混みは避けたい方向け)
定番スポットは押さえつつ、午後は気分で選べる「いいとこ取り」のプラン
1日に4〜5時間程度の活動を目安に、札幌の「これは見ておきたい!」という定番スポットを効率よく巡ります。
移動はタクシーを基本としつつ、地下街なども活用して、歩く距離を合計1km以内(約15分程度)に抑えることを目指します。
「せっかく来たから主要な場所は見たいけれど、疲れすぎるのは嫌」という、多くの方にフィットするバランスの取れたコースです。
【モデルコース例:定番スポットと選べる午後の過ごし方】
(滞在45分)
(滞在45分)
(ジンギスカン・寿司・スープカレー)
<午前:札幌の歴史を感じる建築めぐり>
- 10:00 ホテル出発
タクシーで最初の目的地、札幌市時計台へ向かいます。 - 10:10 札幌市時計台
外観だけでなく、ぜひ中も見学してみてください。
館内には車椅子用の昇降機があり、係員の方が親切に操作してくれます。
札幌の開拓の歴史に触れることができ、知的な満足感も得られます。(滞在目安:45分)出典:札幌市時計台 - 11:00 赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)
時計台からタクシーですぐの距離です。
長年の大規模改修工事を終え、2025年7月25日に待望のリニューアルオープンを迎えます。
創建当時の姿が美しく復元されるだけでなく、館内には新たにエレベーターが設置されるなど、以前にも増して誰もが訪れやすい施設に生まれ変わる予定です。(滞在目安:45分)出典:札幌観光協会
<昼食:その日の気分で選ぶ、絶品札幌グルメ(12:00〜13:30)>
札幌駅周辺は、まさにグルメの激戦区。歩き回らずに美味しいものが食べられるお店がたくさんあります。
- ジンギスカンなら
「松尾ジンギスカン 札幌駅前店」は、伝統のタレに漬け込んだ柔らかいラム肉が特徴。
テーブル席で落ち着いて食事ができます。 - お寿司なら
「根室花まる JRタワーステラプレイス店」は行列必至の人気回転寿司ですが、時間をずらせば比較的スムーズに入れます。
活気ある雰囲気も楽しいですよ。
もう少し落ち着いて、という場合は大丸札幌店内にある「すし善」もおすすめです。 - スープカレーなら
札幌発祥のグルメ、スープカレーも外せません。
「Curry SAMURAI.」など、野菜たっぷりでヘルシーな人気店が駅近くにあります。
<午後:体調と相談して、2つのコースから自由に選択>
午後の過ごし方を、その時の気分や体力で選べるように2つの選択肢をご用意しました。
Aコース:駅周辺で快適に過ごす「インドア満喫コース」
- 14:00 JRタワー展望室T38
午前中に歴史を学んだ後、その街並みを上から見下ろすのは格別です。
札幌の街が碁盤の目のように整備されているのがよく分かります。(滞在目安:45分) - 15:00 地下街を少しだけ散策
涼しくて歩きやすい地下街を、お店を眺めながら少しだけ歩いてみましょう。
無理のない範囲でウィンドウショッピングを楽しみます。 - 15:30 お気に入りのカフェで休憩
歩き疲れたら、駅ビルや百貨店内のカフェで一休み。
美味しいケーキとコーヒーで、旅の思い出を語り合うのも素敵な時間です。 - 16:30 ホテル帰着
Bコース:少し足を延ばす「お菓子の国の探検コース」
- 14:00 白い恋人パークへ(タクシー料金目安:約2,500円)
タクシーで約25分の小旅行。
車窓から札幌の郊外の景色を眺めているうちにあっという間に到着します。 - 14:30 パーク内を満喫
ここは、まるでおとぎ話の世界。
甘い香りに包まれながら、製造ラインを見学したり、美しい庭園を眺めたり。
屋内施設が中心なので、天候を気にする必要はありません。
ここでしか味わえない「白い恋人ソフトクリーム」は必食です。(滞在目安:90分) - 16:00 タクシーでホテルへ
- 16:30 ホテル帰着
👟 アクティブプラン(体力に自信あり!札幌を遊びつくしたい方向け)
朝から晩まで、選択肢豊富なプランで札幌の魅力を余すところなく体験
「せっかくの旅行だから、行きたい場所には全部行きたい!」「歩くのは比較的平気」という元気な方向けの、欲張りプランです。
1日の活動時間は6〜7時間、移動は効率的な地下鉄とタクシーを組み合わせ、札幌の魅力を一日で満喫します。
選択肢を多く用意しているので、興味に合わせて自分だけの最強コースを作り上げてくださいね。
【モデルコース例:札幌を一日中遊びつくす】
二条市場で海鮮丼の朝食
(滞在45分)
昭和レトロな雰囲気
駅直結で移動楽々
JRタワー展望室で札幌の夜景を満喫
<早朝オプション(7:00〜8:30):市場で朝ごはん>
- 二条市場で海鮮丼
少し早起きして、タクシーで二条市場へ。
観光客で賑わう市場の活気を感じながら、新鮮なウニやイクラがたっぷり乗った海鮮丼の朝食はいかがでしょうか。
朝から贅沢な気分を味わえます。
<午前:札幌中心部の王道スポットを制覇>
- 9:00 札幌市時計台(滞在目安:30分)
- 9:45 赤れんが庁舎(滞在目安:30分)
- 10:30 大通公園を散策
美しい花壇や噴水、とうきびワゴンの香ばしい匂い。
札幌の日常が感じられる場所です。テレビ塔を背景に写真を撮るのもお忘れなく(滞在目安:45分)
<昼食:本場で味わうジンギスカン対決>
ジンギスカンを食べるなら、この2択で迷うのも楽しみの一つです。
- Aプラン(利便性重視)
「松尾ジンギスカン 札幌駅前店」で、手軽に美味しいジンギスカンを。 - Bプラン(体験重視)
タクシーで「サッポロビール園」へ(約15分)。
開拓使時代の歴史ある建物の中で、食べ放題のジンギスカンと出来立てのビールを味わうのは、まさに北海道ならではの体験。
併設のビール博物館見学もセットで楽しめます。
<午後:あなたの興味はどっち?選べる探求コース>
Aコース:札幌の街歩きコース
- 13:30 JRタワー展望室T38
- 14:30 地下街でお土産探し
- 15:30 地下鉄で一駅、すすきのへ
昼間のすすきのは、夜とはまた違った顔を見せます。
大きなニッカウヰスキーの看板は、絶好の写真スポットです。 - 16:30 狸小路商店街のレトロなカフェで休憩
Bコース:思い出を形にする、お菓子作り体験コース
- 13:30 タクシーで白い恋人パークへ
- 14:00 工場見学&お菓子作り体験工房
時間に余裕があるので、世界に一つだけのオリジナル「白い恋人」作りに挑戦。
旅の最高の記念になりますし、お孫さんへのお土産にも喜ばれること間違いなしです。 - 16:00 パーク内のカフェで優雅に休憩
- 17:00 タクシーで駅へ
<夕食(18:00〜):ラーメン好きにはたまらない>
- 【体験を重視するなら】元祖さっぽろラーメン横丁(すすきの)
「やはり本場の雰囲気を味わいたい」という方には、地下鉄南北線で一駅の「すすきの」にある「元祖さっぽろラーメン横丁」がおすすめです。
歴史ある有名店が狭い路地にひしめき合い、昭和レトロな雰囲気が漂います。
どのお店に入るか迷う時間もまた、旅の醍醐味の一つです。 - 【駅直結の利便性を重視するなら】札幌ステラプレイス 6F ダイニング
「すすきのまで移動するのは少し大変…」と感じる方には、JR札幌駅直結の商業施設「札幌ステラプレイス」のレストランフロアが便利です。
ここには「白樺山荘」など、北海道を代表する人気のラーメン店が出店しており、移動の負担なく、天候を気にせず本格的な一杯を味わうことができます。
<夜景オプション(20:00〜):旅のフィナーレ>
- JRタワー展望室T38
昼間とは全く違う、宝石をちりばめたような札幌の夜景を堪能。
ロマンチックな音楽が流れる空間で、旅の思い出に浸る時間は、きっと忘れられないものになります。
ポイント
このアクティブプランをこなす自信はないけれど、夜景は見てみたい…という方も多いですよね。
そういう場合は、「スタンダードプラン+夜景オプション」のように、各プランの良いところを自由に組み合わせてみてください。
例えば、昼間はホテルでゆっくり休み、夕方から活動を開始して、夕食と夜景だけを楽しむ、という過ごし方も、とても贅沢で素敵だと思います。
一番心地よいと感じるプランを組み立ててみてくださいね。
高齢者におすすめの札幌お出かけスポット
長距離を歩かなくても、札幌の魅力を心ゆくまで味わえる、選りすぐりのスポットがあります。

「たくさん歩かないと、観光地は楽しめないのでは?」そんな心配はご無用です。
札幌には、体力に自信がない方や車椅子をご利用の方でも、心から「来てよかった」と思える素晴らしい場所がたくさんあります。
ここでは、移動の負担が少なく、バリアフリー設備が整っている、まさに「歩かない旅行」にぴったりのスポットを、私の個人的な体験も交えながら詳しくご紹介しますね。
JRタワー展望室T38
札幌観光のスタート、あるいは締めくくりに、ぴったりです。
JR札幌駅に直結したJRタワーの38階、地上160mの高さから札幌の街並みを360度見渡せる、まさに天空の特等席。
最大の魅力は、なんといってもそのアクセスの良さ。
駅からエレベーターに乗れば、あっという間に絶景が広がる空間に到着します。
展望室内は広々としており、車椅子でも余裕を持って移動できますし、たくさんの椅子が用意されているので、座ってゆっくりと景色を堪能できるのが嬉しいポイントです。出典:JRタワー
以前、高いところが少し苦手な私の母を連れて行ったことがあるのですが、窓が大きく足元までガラス張りというわけではないので、怖がることなく「あら、うちのホテルはあっちの方角ね」「碁盤の目ってこういうことなのね」と、楽しそうに街並みを眺めていました。
昼間の雄大な景色はもちろん、夕暮れから夜にかけて街の灯りがキラキラと輝きだす時間は、本当にロマンチックで感動的です。
併設のカフェで、景色を眺めながらコーヒーを一杯。そんな贅沢な時間もいいですね♪
サッポロビール園・サッポロビール博物館
北海道といえば、やはりジンギスカンとビールは外せませんよね。
サッポロビール園は、開拓使時代の歴史的な赤レンガの建物の中で、北海道のソウルフードを心ゆくまで味わえる、特別な場所です。
広々としたビアホールは活気に満ちていて、いるだけで楽しい気分になります。
テーブル席なので、足腰に不安がある方でも安心です。
食事の前にぜひ立ち寄っていただきたいのが、併設されている「サッポロビール博物館」。
ここは日本のビール産業の歴史を学べる貴重な施設で、国の重要文化財にも指定されています。
歴史ある建物ですが、館内にはスロープやエレベーターが設置されており、高齢者の方でも無理なく見学できるよう配慮されています。
歴史に触れた後で味わう出来立てのビールとジンギスカンは、まさに格別の味。
札幌駅からタクシーで少し移動する価値は十分にあります。出典:サッポロビール博物館
白い恋人パーク
北海道の定番土産「白い恋人」のテーマパークです。
札幌中心部からは少し離れていますが、タクシーを使えばおしゃべりしているうちに着いてしまいます。
ここは屋内施設が中心なので、雨の日や、夏の暑い日、冬の寒い日でも天候を気にせず楽しめるのが最大の強みです。
甘い香りが漂うパーク内では、「白い恋人」が作られる製造ラインをガラス越しに見学したり、チョコレートの歴史を学んだり。
何より嬉しいのが、施設内が完全バリアフリー設計であること。
通路も広く、車椅子の無料貸し出しサービスもあるため、どなたでも安心して快適に過ごせます。
私の母は、季節の花が咲き誇る英国風の庭園を眺めながら、パーク限定の「白い恋人パフェ」を食べるのがお気に入りのようです。
見る、食べる、体験する、が揃った、三世代で楽しめる万能スポットと言えるでしょう。
大通公園
札幌の街の真ん中を、まっすぐに貫く緑の帯、大通公園。
全長約1.5kmと聞くと「歩くのが大変そう」と思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
この公園の賢い楽しみ方は、「全部を歩こうとしない」ことです。
タクシーで「テレビ塔の近く」や「西8丁目あたり」など、目的のエリアのすぐそばまで行ってもらいましょう。
そして、そこにたくさん設置されているベンチに腰掛けて、ただのんびりと過ごします。
手入れの行き届いた美しい花壇を眺めたり、噴水の音に耳を澄ませたり、名物の「とうきびワゴン」で買った焼きとうもろこしを頬張ったり。そうしていると、札幌市民の日常が垣間見え、この街の本当の心地よさを感じることができます。
観光の合間に、ここで30分ほど休憩するだけで、心も体もリフレッシュできますよ。
札幌市時計台
札幌のシンボルとして、あまりにも有名な時計台。
多くの方が建物の前で記念写真を撮って満足されますが、もし時間に余裕があれば、ぜひ中も見学してみてください。
注意
「歴史的な建物だから、中は階段ばかりでしょう?」と思われるかもしれませんよね。
確かに、入口には少し段差がありますし、2階へは階段が基本です。
しかし、諦めるのはまだ早いです。
正面玄関の横にあるインターフォンで係員の方を呼ぶと、快く介助してくれますし、館内には車椅子専用の昇降機が設置されており、それを使えば2階のホールまで上がることができるのです。
このホールは、木の温もりが感じられる、とても素敵な空間です。
係員の方に声をかけるだけで、見られる景色がぐっと広がります。
こうした配慮があることを知っているだけで、訪れるハードルがぐっと下がりますよね。出典:札幌市時計台
高齢者も安心の札幌タクシー観光ガイド
タクシーを賢く使い分けることで、札幌の旅はオーダーメイドのように快適で自由なものになります

広大な札幌の街を、自分たちのペースで、そして身体に負担なく巡りたい。
そんな願いを叶えてくれるのが、タクシーという移動手段です。
「でも、タクシーって料金が高そう…」と心配ですよね。
しかし、札幌のタクシーサービスは非常に多様で、目的や体の状態に合わせて賢く選ぶことで、実は非常にコストパフォーマンスの高い、旅のパートナーになってくれるのです。
私自身、以前に両親と旅行した際、最初は地下鉄やバスを乗り継ぐ計画を立てました。
でも、慣れない場所での乗り換えや、バス停から目的地までの微妙な距離が、思った以上に体力を奪う結果に。
結局、午後は疲れ果ててしまい、予定していた場所を一つ諦めることに…。
その経験から、次の旅行では思い切って観光タクシーを半日チャーターしてみました。
すると、移動のストレスから解放されるのはもちろん、運転手さんからガイドブックにはない穴場情報も聞けて、旅の満足度が格段に上がりました。
ここでは、そんな私の経験も踏まえ、あなたの旅を格上げするタクシーの上手な活用術を、詳しくご紹介していきます。
「観光タクシー」と「福祉タクシー」:似ているようで全く違う、賢い選び方
まず最初に理解しておきたいのが、札幌で利用できる主なタクシーサービスには、大きく分けて「観光タクシー」と「福祉(介護)タクシー」の2種類があるということです。
この二つは似ているようで、その役割と専門性は全く異なります。
ご自身の状況に合わせて最適な方を選ぶことが、快適な旅の第一歩です。
種類 | 車両・ドライバーの特徴 | サービス内容 | こんな方におすすめです |
---|---|---|---|
観光タクシー | ・一般的なセダンや、ゆったり乗れるワゴン車(アルファードなど) ・ドライバーは地域の歴史や見どころに詳しい「観光ガイド」のプロ | ・時間制で貸し切り、希望の観光地を巡る。 ・効率的なコース提案や、車窓からの案内、写真撮影の手伝いなど。 ・一部事業者では、乗降用の踏み台や介助用車椅子の無料貸出も。 | ・ご自身の足で歩けるけれど、長距離の移動や公共交通の乗り降りに不安を感じる方。 ・プロの案内で、より深く札幌の魅力を知りたい方。 ・時間を有効に使って、効率よく観光したい方。 |
福祉(介護)タクシー | ・車椅子やストレッチャーごと乗車できるリフトやスロープ付きの専用車両 ・多くの場合、ドライバーは介護職員初任者研修などの資格を持つ「介護のプロ」 | ・乗降時の専門的な介助。 ・必要に応じて、階段の昇降や、病院・施設内の付き添い介助も行う。 ・観光目的での貸切利用も可能。 | ・車椅子を日常的に利用されている方。 ・寝たきりの方など、移動に専門的な介助が不可欠な方。 ・通院や一時帰宅だけでなく、観光も楽しみたい方。 |
料金体系の徹底解説:追加料金に要注意!
タクシーの料金は少し複雑に見えるかもしれませんが、事前に仕組みを理解しておけば、安心して利用できます。
特に福祉タクシーは、通常の運賃に加えて専門的な料金がかかる点をしっかり把握しておきましょう。
観光タクシーの料金体系
観光タクシーは、主に「時間制運賃(貸切料金)」が適用されます。
これは「3時間で〇〇円」というように、時間単位で料金が設定されている分かりやすいシステムです。
料金は事業者やコースによって様々ですが、おおよその目安は以下の通りです。
- 札幌市内 短時間コース(2.5時間~3時間):16,000円~22,000円程度
- 札幌・小樽 1日コース(6時間~8時間):38,000円~50,000円程度
この貸切料金に、高速道路代や駐車料金、各施設の入場料は含まれていないのが一般的です。
総額がいくらになるか、予約時に確認しておくとより安心ですね。
福祉タクシーの料金体系:「運賃+介助料」が基本
福祉タクシーの料金計算で最も重要なポイントは、「基本運賃」に「介助料」や「機器使用料」が加算されるという点です。
これを知らずに利用すると、想定外の金額に驚いてしまう可能性があります。
料金の内訳
- 基本運賃:これは通常のタクシーと同じで、走行距離や時間に応じて計算されるメーター料金です。
障がい者手帳を提示すると、この運賃部分が1割引きになることがほとんどです。 - 基本介助料:ドライバーが乗降を手伝うことに対する料金です。
乗るときと降りるとき、それぞれに発生するのが一般的です。
(例:車椅子での乗降1回につき1,500円程度) - オプション介助料:より専門的な介助が必要な場合の追加料金です。
例えば、マンションの2階から階段を使って下ろしてもらう、といったケースがこれにあたります。
(例:階段介助1階ごとに1,000円~) - 機器使用料:事業者が所有する車椅子や、背もたれが倒れるリクライニング車椅子などを借りる場合の料金です。
(例:リクライニング車椅子1回2,000円程度)
【料金シミュレーション】
例えば、ホテルから白い恋人パークまで観光に行き、またホテルに戻ってくる場合(片道運賃が3,000円と仮定)を考えてみましょう。
・実際の運賃は距離や時間により変動します
・介助料は事業者により異なる場合があります
・必ず予約時に総額の見積もりを確認しましょう
このように、運賃の合計は6,000円ですが、介助料が同じく6,000円かかり、総額は12,000円となります。
この仕組みを理解し、予約時に必ず総額の見積もりを取ることが、トラブルを避けるために非常に重要です。
予約を成功させるための重要ポイント
福祉タクシーや、リフト付きの大型観光タクシーを利用するためには、事前予約が絶対に必要です。
特に観光シーズンは予約が集中するため、旅行の日程が決まったらすぐに手配を始めることをおすすめします。
ポイント
予約の電話をする際に、以下の情報を正確に、そして詳しく伝えることが、当日のスムーズな利用に繋がります。
- 利用日時と行程
「〇月〇日の10時に〇〇ホテルを出発し、白い恋人パークへ。
パークには2時間ほど滞在し、その後ホテルに戻りたい」というように、具体的に伝えます。 - 利用人数
ご本人様と、付き添いの方の人数を正確に。 - 車椅子の種類とサイズ
「普通の手動式です」「背もたれが倒れるリクライニング式です」「電動車椅子で、幅が〇cmです」など、できるだけ詳しく伝えましょう。
これが重要なのは、車両のリフトやスロープには、対応できる車椅子のサイズや重さに制限があるためです。 - 必要な介助の内容
「ホテルのロビーまで迎えに来てほしい」「乗降の手伝いだけで大丈夫です」「玄関に3段の階段があります」など、介助が必要な場面を具体的に伝えることで、ドライバーも心の準備ができます。
信頼できる事業者を探すには、札幌市の公式ウェブサイトに掲載されているリストを参考にするか、「北海道ハイヤー協会」のウェブサイトから加盟事業者を探し、直接電話で相談してみるのが確実です。出典:北海道ハイヤー協会
札幌の冬でも高齢者が楽しめる観光プラン
万全の準備と少しの知識があれば、冬の札幌は、寒さを忘れるほど美しく楽しい感動体験に変わります。

雪がしんしんと降り積もり、街全体が白銀の世界に包まれる冬の札幌。
さっぽろ雪まつりやホワイトイルミネーションなど、この季節にしか見られない幻想的な風景は、多くの人々を魅了してやみません。
しかし、その美しさの裏には、厳しい寒さと、何よりも「路面凍結」という大きなリスクが潜んでいます。
特に、足腰に少しでも不安のある高齢者の方にとっては、転倒への恐怖が、冬の北海道旅行への大きな壁になっているのではないでしょうか。
ここでは、冬の札幌を「怖い場所」から「最高の思い出の場所」に変えるための、具体的な方法と心構えを、お伝えします。
最大の敵は「つるつる路面」!転倒を100%防ぐための完全攻略法
冬の札幌観光で、他の何よりも優先して対策すべきは、凍結路面での転倒防止です。
札幌市消防局の統計でも、毎年11月から3月にかけて、積雪や凍結路面での転倒による救急搬送が1,000件以上発生しており、その多くが高齢者の方です。
これは決して脅しではなく、知っておくべき現実です。
しかし、正しい知識と装備があれば、このリスクは限りなくゼロに近づけることができます。
1. 歩き方の基本:「ペンギン歩き」をマスターする
これは、札幌市民なら誰もが自然と身につけている歩行技術です。
名前の通り、ペンギンのように歩くのがコツです。
- 小さな歩幅で:大股で歩くと、重心の移動が大きくなり滑りやすくなります。歩幅は普段の半分くらいを意識しましょう。
- 足の裏全体で着地:かかとから着地するのではなく、足の裏全体を地面にペタッと置くようなイメージで歩きます。
- 重心はやや前に:少し前かがみになることで、万が一滑っても後ろに倒れるのを防ぎやすくなります。
急いでいる時ほど、この「ペンギン歩き」を意識することが大切です。
横断歩道が点滅しても、決して走ってはいけません。
2. 履物の選択:ファッションより「機能性」を
冬の札幌では、靴は体を支える最も重要な装備です。
おしゃれな革靴やヒールの高い靴は、残念ながら全く役に立ちません。
- 靴底の素材:低温でも硬くなりにくい、柔らかいゴム製のものを選びましょう。
- 靴底の溝:深く、複雑な模様の溝が刻まれているものが、雪や氷をしっかりと掴んでくれます。溝がすり減った靴は避けましょう。
- 防水性:雪が解けて水たまりになっている場所も多いため、防水・撥水加工が施されたブーツが必須です。
3. 最強の武器:「着脱式滑り止め」を現地で手に入れる
旅行のために高価な冬靴を買うのはちょっと…という方に、最も現実的で効果的な解決策がこれです。
普段履いている歩きやすい靴の上からゴムバンドで装着するタイプの滑り止めで、金属製のピンが氷にガッチリと食い込み、歩行の安定性が劇的に向上します。
これは、もはや「お守り」ではなく「必須装備」と考えてください。
事前購入だと荷物がかさばるのが気になる場合は、札幌に到着してからでも簡単に手に入ります。
JR札幌駅構内のキヨスク、市内のコンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーの靴売り場などで、1,000円~2,000円程度で販売されています。
荷物を増やすことなく、現地で最強の武器を調達できるのです。
ただし、建物内のタイル床などでは逆に滑りやすくなるため、屋内に入る際には必ず取り外す習慣をつけましょう。
寒さを忘れる!暖かくて快適な「屋内観光スポット」
厳しい寒さや吹雪の日でも、札幌には心から楽しめる素晴らしい屋内施設が揃っています。
これらを旅程に組み込むことが、冬の観光を成功させる大きなポイントです。
- JRタワー展望室T38
前述の通り、駅直結でアクセスできる最高の避難場所兼絶景スポット。
雪化粧をした札幌の街並みや、遠くの山々まで、暖かい室内から心ゆくまで堪能できます。
さっぽろ雪まつりの大通会場を上から眺めるのも、ここならではの贅沢な楽しみ方です。 - サッポロビール博物館
歴史ある赤レンガの建物は、雪景色とのコントラストが非常に美しいです。
館内を見学した後は、併設のホールでアツアツのジンギスカンと出来立てのビールで体を温めましょう。
これぞ北海道の冬の醍醐味です。 - 札幌オリンピックミュージアム
大倉山ジャンプ競技場に併設された、近代的なミュージアムです。
ここでは、冬季オリンピックの歴史に触れられるだけでなく、スキージャンプやボブスレーなどを疑似体験できるシミュレーターが大人気。
大人も子供も夢中になれます。施設は完全バリアフリーなので、どなたでも安心して楽しめます。 - 地下街(チカホ・ポールタウン・オーロラタウン)
札幌の地下街は、もはや「もう一つの札幌」と言っても過言ではありません。
JR札幌駅から大通、すすきのまで、広大なエリアが地下で結ばれており、外の天候を一切気にすることなく移動、食事、買い物が完結します。
冬の札幌では、この地下空間をいかに使いこなすかが、快適さを大きく左右します。
服装の極意は「重ね着」による温度調節
札幌の冬の服装で最も重要なキーワードは「重ね着」です。
なぜなら、屋外は氷点下10℃になることもある一方、地下街や建物の中は暖房が効きすぎて汗ばむほど暑い、という極端な温度差があるからです。
この温度差に対応できないと、汗をかいた後に外に出て体が冷え、風邪をひいてしまう原因になります。
【理想的な重ね着の例】
- 肌着
汗を素早く吸って乾かしてくれる、吸湿速乾性の高い化学繊維のインナーや、保温性に優れたメリノウール素材のものが最適です。 - 中間着
体温を保持する役割を担います。
薄手のフリースやダウンベスト、ウールのセーターなどがこれにあたります。 - 上着
雪や風から体を守る、最も外側の層です。
防水・防風性に優れた、フード付きのダウンコートやスキーウェアなどが適しています。
この三層構造を基本とし、屋内に入ったらすぐに上着を脱ぐ、というように、こまめに調節することが快適に過ごす秘訣です。
また、小物類も重要です。耳まで覆える帽子、手袋、マフラー(またはネックウォーマー)は「三種の神器」として、必ず身につけましょう。
特に手袋は、防寒だけでなく、万が一転んだ際に手を保護するプロテクターの役割も果たしてくれます。
高齢者も涼しく過ごせる札幌の夏の観光
夏の札幌は、涼しい屋内施設を賢く利用すれば、猛暑を避けて快適に過ごせる絶好の避暑地になります。

「北海道の夏は涼しくて過ごしやすい」というイメージを、今でも多くの方がお持ちではないでしょうか。
確かに、本州に比べれば湿度が低く爽やかな日が多いのは事実です。
しかし、近年の気候変動の影響は札幌も例外ではなく、最高気温が30℃を超える「真夏日」も決して珍しくありません。
特に、アスファルトの照り返しが厳しい都心部では、体感温度はさらに上がります。
高齢者の方は、若い頃に比べて体温調節機能が低下しており、体内に水分を蓄える能力も低くなっています。
そのため、ご本人が「まだ大丈夫」と感じていても、気づかぬうちに熱中症が進行してしまう危険性があるのです。
厚生労働省のデータを見ても、熱中症による救急搬送者数や死亡者数は、65歳以上の高齢者が圧倒的多数を占めているのが現状です。出典:厚生労働省
夏の旅行で最も避けたいのは、暑さで体調を崩し、ホテルから一歩も出られなくなってしまうこと。
そうならないためにも、ここでは夏の札幌を賢く、そして涼しく楽しむための具体的な避暑戦略と、知っておくと本当に心強いお役立ち情報をご紹介します。
猛暑からの避難所!エアコン完備の快適「屋内観光スポット」
夏の強い日差しや、じっとりとした蒸し暑さを避けるには、やはりエアコンの効いた屋内施設を旅程の軸に据えるのが一番の得策です。
幸い、札幌には魅力的でバリアフリーにも配対応した屋内スポットが豊富にあります。
- 美術館・博物館で知的な涼を
「北海道立近代美術館」や「札幌芸術の森美術館」は、静かで落ち着いた空間で、ゆっくりと芸術鑑賞ができます。
美しい絵画や彫刻を眺めていると、不思議と心の温度もすっと下がるような気がします。
美術鑑賞は、歩くペースを自分で完全にコントロールできるのも、高齢者の方には嬉しいポイントですね。 - お菓子のテーマパークで甘い涼を
前述の「白い恋人パーク」は、夏の避暑地としても非常に優秀です。
屋内が中心なので直射日光を避けられますし、ひんやりとした「白い恋人ソフトクリーム」は、火照った体に染み渡る美味しさです。 - 水族館で視覚的な涼を
新さっぽろ駅直結の「サンピアザ水族館」は、規模こそ大きくありませんが、優雅に泳ぐ魚たちを眺めているだけで、体感温度が2〜3℃下がるような涼やかな気分になれます。
薄暗い館内は、強い日差しに疲れた目を休めるのにも最適です。 - 地下街・百貨店という巨大なオアシス
札幌駅や大通エリアに広がる地下街や、JRタワー、大丸、三越といった商業施設は、もはや「街ごと冷房が効いている」と言っても過言ではない、巨大な避暑地です。
最新のファッションを眺めたり、デパ地下で美味しいものを探したりしながら、涼しく快適に過ごせます。
夏の穴場 定山渓ダム
もし少し足を延ばせるなら、私が個人的に「夏の穴場」として強くおすすめしたいのが、定山渓にある「定山渓ダム」です。
ダム資料館の内部にある見学通路は、外がどれだけ猛暑でも、年間を通じて気温が約10℃に保たれています。
ひんやりとした空気は、まさに天然のクーラー。
ダムの壮大な構造を学びながら、本物の涼しさを体感できる、ユニークで知的な避暑体験ができますよ。出典:国土交通省 北海道開発局
ご家族も必見!高齢者のための熱中症対策
高齢者の方の熱中症対策は、ご本人だけでなく、周りのご家族が気を配ってあげることが非常に重要です。
以下のポイントをぜひ覚えておいてください。
- さっと羽織れるものを一枚
屋外は暑くても、屋内は冷房が効きすぎていることがあります。
この温度差で体調を崩さないよう、薄手のカーディガンなどを常に携帯しましょう。 - しっかり水分・塩分補給
喉が渇いていなくても、30分に一度は一口飲む、というように時間を決めて水分を摂るのが効果的です。
汗で失われる塩分やミネラルを補給できる、経口補水液やスポーツドリンクを水筒に入れて持ち歩くと安心です。 - 涼しい服装を
熱がこもらないよう、通気性が良く、吸湿・速乾性のある素材の服を選びましょう。
熱を吸収しにくい白や水色など、淡い色の服がおすすめです。 - 積極的に体を冷やす
濡らしたタオルや冷たいペットボトルで首筋や脇の下、足の付け根などを冷やすと、効果的に体温を下げることができます。
携帯用の扇風機や、叩くと冷える瞬間冷却パックなども非常に役立ちます。 - 屋外での活動時間を調整
日差しが最も強い午前11時頃から午後2時頃は、無理に屋外で活動せず、屋内施設での観光や、ホテルでの休憩時間にあてるのが賢明です。
旅先での強い味方!「クーリングシェルター」を知っていますか?
札幌市では、熱中症による健康被害を防ぐため、市内の公共施設や民間施設を「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として開放しています。出典:札幌市
これは、熱中症警戒アラートが発表された際などに、誰でも無料で立ち寄り、涼しい場所で休憩できるという制度です。
各区の区民センターや図書館といった公共施設のほか、イオンモールのような大型商業施設、ツルハドラッグのようなドラッグストアの一部店舗も指定されています。
観光の途中で「少し気分が悪いな」「暑くてたまらない」と感じた時に、こうした場所に駆け込めることを知っているだけで、心の安心感が全く違います。
旅行前に札幌市のウェブサイトで、観光ルートの近くにあるクーリングシェルターの場所をいくつか確認しておくだけで、夏の札幌旅行が何倍も安全で快適になりますよ。
高齢者が歩かない旅行【札幌】を実現する準備
- 札幌駅周辺のバリアフリー完全ガイド
- 高齢者向けホテル選びのポイント札幌駅編
- 高齢者向けレストラン札幌駅周辺
- 高齢者が避けるべき札幌の観光地リスト
- 高齢者の札幌旅行で知っておくべき注意点
札幌駅周辺のバリアフリー完全ガイド
札幌駅周辺は、世界でも有数のバリアフリー先進エリアです。

札幌観光の計画を立てる上で、拠点となるのは間違いなくJR札幌駅とその周辺エリアでしょう。
このエリアのバリアフリー環境を深く理解し、使いこなすことが、「歩かない旅行」を成功させるための最も重要な鍵と言っても過言ではありません。
特に、札幌の真価が発揮されるのが、広大で機能的な地下ネットワークの存在です。
初めて札幌を訪れた時、私もこの地下街の広さと複雑さに少し戸惑った経験があります。
「ただの地下道だろう」と軽く考えていたら、気づけば全く違う方向に出てしまったり…。
しかし、一度その構造を理解してからは、これほど旅行者に優しいインフラはないと感動しました。
大雪の日に、両親を連れていても一度も地上に出ることなく、駅からホテル、そして食事場所まで移動できるのは本当に安心です。
ここでは、そんな札幌の「心臓部」とも言える駅周辺のバリアフリー情報を、具体的な攻略法と共にご案内します。
最強のインフラ「地下歩行空間(チカホ)」を使いこなす
札幌の都心部には、JR札幌駅から大通、そして歓楽街すすきのまで、広範囲にわたる地下空間が網の目のように広がっています。
この巨大な地下ネットワークは、主に以下の3つで構成されています。それぞれの特徴を知っておくと、移動がさらにスムーズになります。
- 札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)
JR札幌駅と大通駅を結ぶ、約520mの直線的なメインストリートです。
道幅が広く、完全にフラットで、床も滑りにくい素材でできているため、車椅子やベビーカーでも非常に快適に移動できます。
通路の途中にはベンチや休憩スペースも多く、壁面ではアート展示やイベントなども頻繁に行われているため、歩いているだけでも楽しめます。 - オーロラタウン
大通公園の真下を、西1丁目(テレビ塔)から西4丁目まで東西に伸びる、歴史あるショッピングアーケードです。
ファッションや雑貨のお店が並びます。 - ポールタウン
大通エリアからすすきの駅まで、南北に伸びるショッピングアーケード。
こちらも飲食店や様々なお店で賑わっています。
これら3つの地下街はすべて連結しており、例えばJR札幌駅からすすきのまで、約1.5km以上の距離を一度も地上に出ることなく移動することが可能です。
多くのオフィスビルや商業施設にも直結しているため、目的地によっては本当にドアツードアで移動が完結してしまいます。
ポイント
旅行前にぜひブックマークしておきたいのが、札幌市が公開している「さっぽろバリアフリータウンマップ」です。
このウェブサイトを使えば、地下街に接続しているどのビルに多目的トイレやエレベーターがあるかなどを、地図上で視覚的に確認できます。
これをスマートフォンで見ておくだけで、外出先でのトイレの不安が大幅に軽減されますよ。出典:札幌市
車椅子でも安心!地下鉄を活用
札幌市営地下鉄は、観光客にとって非常に便利な移動手段です。
そして何より、全駅でバリアフリー化が完了しているため、正しい手順さえ知っていれば、車椅子の方でも安心して利用することができます。
ステップ1:エレベーターの場所を事前に確認する
まず基本となるのが、エレベーターでの上下移動です。
全ての駅で、地上から改札階へ、そして改札階からホーム階へのエレベーターが完備されています。
しかし、駅によってはエレベーターが少し分かりにくい場所にあることも。
札幌市交通局のウェブサイトには、全駅の構内図がPDFで公開されています。
旅行前に、利用する可能性のある駅(さっぽろ、大通、すすきの等)の構内図をスマートフォンに保存しておくと、駅構内で迷う時間をなくし、体力の消耗を防げます。出典:札幌市交通局
ステップ2:最重要!「渡し板」のお願いをする
地下鉄の車両とホームの間には、安全上の理由から必ず隙間と段差が存在します。
この隙間を安全に渡るために、駅係員さんに「渡し板(わたしいた)」という、スロープのような板を設置してもらう必要があります。
このサービスを受けるための手順は簡単です。
- 改札を通る前に、駅員さんがいる駅事務室の窓口に行きます。
- 「〇〇線に乗って、〇〇駅まで行きたいのですが、車椅子なので渡し板をお願いします」と伝えます。
- すると、駅員さんがホームまで案内し、電車が来たら渡し板を設置して乗車を手伝ってくれます。
- さらに、駅員さんはあなたが降車する駅にも連絡を入れてくれるので、到着した駅でもホームで駅員さんが待機しており、スムーズに降車することができます。
恥ずかしがらずに、堂々とお願いしてください。
駅員さんは皆さんとても親切に対応してくれますよ。出典:札幌市交通局
知るだけで安心感が違う!駅周辺の多目的トイレマップ
長時間の外出において、いつでも駆け込める清潔なトイレの場所を把握しておくことは、何よりの精神的なお守りになります。
札幌駅周辺は、多目的トイレの数が非常に多く、設備も整っています。
- 地下街のトイレ
- オーロラタウン:東側、テレビ塔に近い「オーロラスクエア」の隣にあります。
- ポールタウン:南側の「狸小路」との交差点近く、ギャラリー「ステラ」の隣に設置されています。
- 地下鉄駅のトイレ
- 全ての駅の改札内に、オストメイト対応の多目的トイレが必ず設置されています。
- 商業施設のトイレ(ここが狙い目!)
- JRタワー(ステラプレイス、アピア)、大丸札幌店、赤れんがテラス、札幌市民交流プラザなど、地下街やチカホに直結している主要なビルには、各階に複数、非常に清潔で広々とした多目的トイレが設置されています。
- 私の経験上、特に百貨店のトイレは数が多く、待つことも少ないため、おすすめです。
いざというときのために、これらの施設のトイレの場所を覚えておき、休憩や買い物のついでに利用させてもらいましょう。
高齢者向けホテル選びのポイント札幌駅編
旅の満足度を左右するホテル選びは、「駅からの近さ」だけでなく「移動の質」で選ぶのが、札幌旅行成功の秘訣です。

一日の観光を終えて帰る場所、そして次の日の元気をチャージする場所。
ホテルは、旅における「拠点」です。
特に、身体への負担を少しでも減らしたい高齢者の方との旅行では、この拠点選びが旅全体の快適さを決めると言っても過言ではありません。
立地や設備が整ったホテルを選ぶことは、単なる贅沢ではなく、安全で心穏やかな時間を確保するための、最も重要な「投資」なのです。
以前、少しでも宿泊費を抑えようと、札幌駅から地下鉄で一駅離れたホテルを予約したことがあります。
「一駅くらい大丈夫だろう」と安易に考えていたのですが、これが失敗でした。
日中の観光で疲れた足で、駅からホテルまで数分歩くだけの距離が、とても長く感じられたのです。
冬だったこともあり、なおさら辛かったです。
「やっぱり駅直結のホテルにすればよかった…」と後悔しました。
ここでは、そんな失敗をしないよう、札幌駅周辺で最高の「拠点」を見つけるための、3つの重要なポイントをご紹介します。
1. 「駅近」ではなく「駅直結」
ホテル選びで多くの方が重視する「駅からの距離」。
しかし、札幌においては、単に「駅から徒歩5分」という言葉だけを信じるのは少し危険です。
なぜなら、その5分が、夏の炎天下や冬の吹雪の中を歩く5分かもしれないからです。
ここで大切なのが「地上を歩く時間をいかにゼロに近づけるか」という視点です。
札幌駅周辺には、JRの駅舎や地下鉄駅に直結しているホテルや、地下歩行空間(チカホ)を通じて外に出ることなくアクセスできるホテルがいくつもあります。
- 大雨の日も、猛吹雪の日も、傘やコートを気にすることなく、手ぶらでホテルと駅を往復
- 道に迷う心配がなく、重い荷物を持って歩く必要もありません。
- 冬の凍結路面での転倒の不安がありません。
少し予算が上がったとしても、この「直結」という価値は、魅力的です。
2. 「バリアフリールーム」を要チェック
「バリアフリールーム」や「ユニバーサルルーム」、「アクセシブルルーム」といった名前の客室は、車椅子を利用される方のためだけのものではありません。
足腰に少しでも不安がある、すべての方にとって快適な空間です。
これらの客室が通常の部屋とどう違うのか、具体的に見てみましょう。
- 段差がない
客室の入口からバスルームまで、つまずきの原因となる段差が一切ありません。 - 広い通路とドア
車椅子でも楽に方向転換ができるよう、通路やドアの幅が広く設計されています。 - 安心のバスルーム
トイレや浴槽の周りには、立ち座りを助ける手すりが必ず設置されています。
また、滑りやすい浴槽をまたぐ必要がない洗い場付きの浴室や、座ったまま体を洗えるシャワーチェアが用意されていることがほとんどです。 - +αの設備
ホテルによっては、「京王プラザホテル札幌」のように、ベッドの一部がリモコンで操作できる電動リクライニングベッドになっているなど、さらに一歩進んだ配慮がされている場合もあります。
これらのバリアフリー対応客室は、どのホテルも非常に数が限られています。
通常、1つのホテルに1室か2室しかありません。
旅行の日程が決まったら、早めに予約するようにしましょう。
3. 口コミで「スタッフ対応」も要チェック
立派な設備が整っていても、そこで働く「人」の温かみがなければ、心からリラックスすることはできません。
ホテル選びの最終段階では、ぜひ予約サイトの口コミに目を通し、設備の新しさや朝食の豪華さだけでなく、スタッフの対応に関する具体的なエピソードを探してみてください。
「高齢の母がロビーで休んでいたら、そっと膝掛けを持ってきてくれた」
「車椅子での移動の際、いつも笑顔でドアを開けてくれた」
こうした、マニュアルにはないであろう細やかな心遣いに関する書き込みは、そのホテルの「おもてなしの心」を測る、何よりの指標になりますね。
「ニューオータニイン札幌」のように、観光介助士の資格を持つスタッフが在籍しているホテルもあり、専門的な知識を持った方に旅の相談ができるのは、非常に心強いですね。出典:ニューオータニイン札幌
困った時に、快く、そして的確にサポートしてくれるスタッフの方がいるだけで、旅の安心感が格段にアップします。
【まとめ】札幌駅周辺のおすすめホテル例
これらのポイントを踏まえ、特におすすめできるホテルをご紹介します。
ホテル名 | 高齢者向けのおすすめポイント | アクセス |
---|---|---|
JRタワーホテル日航札幌 | 全客室が段差のないフラット設計。高層階からの眺望も素晴らしく、スタッフのきめ細やかな対応にも定評があります。 | JR札幌駅直結 |
札幌グランドホテル | 歴史と品格のある老舗ホテル。62㎡と非常に広々としたユニバーサルルームがあり、家族での利用にも最適です。 | JR札幌駅から地下道で直結 |
京王プラザホテル札幌 | 電動リクライニングベッドを備えたアクセシブルルームは、まさに高齢者のための部屋。スタッフの親切な対応も多くの口コミで高く評価されています。 | JR札幌駅から徒歩約5分 |
もちろん、これらのホテルは一例です。
大切なのは、ご自身の予算や旅のスタイル、そして何よりも「どんな時間を過ごしたいか」を考え、それに最も合うホテルをじっくりと選ぶこと。
そのひと手間が、忘れられない素晴らしい札幌の思い出へと繋がっていきます。
高齢者向けレストラン札幌駅周辺
札幌駅周辺は、移動の負担なく北海道の味覚を安心して楽しめる、高齢者に優しいレストランの宝庫です。

旅の楽しみといえば、やはりその土地ならではの美味しい食事ですよね。
北海道、特に札幌駅周辺は、新鮮な海産物からジンギスカン、スープカレーまで、食の魅力に溢れています。
しかし、高齢のご両親と一緒の食事となると、「お店の雰囲気は落ち着いているかな?」「椅子席はあるかしら?」「長時間待つのは辛いかも…」といった、味以外の心配事が色々と頭をよぎるものです。
以前、ガイドブックで見た人気店に予約なしで向かったところ、案の定、長蛇の列。
活気があるのは良いのですが、高齢者の方には辛いですよね。
ここでは、レストラン選びの具体的なポイントと、札幌駅周辺のおすすめのお店をご紹介します。
レストラン選びで失敗しないための3つのポイント
この3つのポイントを押さえておけば、お店選びで大きく失敗することはありません。
1. 席のタイプは「テーブル席」を絶対条件に
お店の雰囲気がいくら良くても、掘りごたつや座敷席は、膝や腰に不安のある方にとっては大きな負担になります。
立ち座りの動作が大変なだけでなく、長時間同じ姿勢で座っていること自体が苦痛になることも。
お店を選ぶ際は、まず「椅子とテーブルの席があるか」を必ず確認しましょう。
さらに言えば、隣の席との間隔がゆったりと取られているお店だと、周りを気にせず、落ち着いて会話と食事を楽しめます。
車椅子で入店する可能性がある場合は、予約の際に「車椅子で利用したいのですが、通路の幅は大丈夫ですか?」と一言伝えておくと、お店側も配慮してくれ、当日スムーズに案内してもらえます。
2. 「予約」ができるかをチェック
人気店に待ち時間はつきものですが、若い方と違い、高齢者にとって「立って待つ」という行為は、想像以上に体力を消耗します。
事前に予約ができるお店を選ぶことは、高齢者の方への最高の思いやり。
特に夕食時は混み合うことが多いので、早めの予約をおすすめします。
3. 「選べる楽しさ」があるメニュー構成か
年齢を重ねると、食事の好みや食べられる量も変わってきます。
「脂っこいものは少しでいい」「硬いものは避けたい」「色々なものを少しずつ味わいたい」など、様々な要望が出てくるものです。
そんな時、コース料理しかないお店よりも、アラカルト(単品)でも注文できるお店や、海鮮、肉、野菜料理など、メニューの選択肢が豊富なお店の方が、全員が満足しやすくなります。
ご本人が「これが食べたい」と心から思えるものを選べる、その「選べる楽しさ」も、食事の満足度を上げる大切な要素なのです。
【ジャンル別】札幌駅周辺のおすすめレストラン
これらのポイントを踏まえると、やはり札幌駅直結の駅ビル(JRタワー ステラプレイス、大丸札幌店など)や、周辺のビルに入っているレストランは、移動が楽で選択肢も多く、サービスも行き届いているため、高齢者の方には特におすすめです。
- お寿司
北海道の新鮮なネタは、やはり外せませんね。
「根室花まる」のような人気の回転寿司は活気があって楽しいですが、待つのが苦手な場合は、同じく大丸札幌店内にある「すし善」のような、落ち着いた雰囲気のカウンターやテーブル席で、職人さんが握るお寿司をゆっくり味わうのも格別です。 - ジンギスカン
北海道のソウルフードを体験したいなら、「松尾ジンギスカン 札幌駅前店」がおすすめです。
ここは伝統のタレに漬け込んだラム肉が特徴で、臭みが少なく柔らかいと評判です。
換気がしっかりしているので、服に匂いがつきにくいのも嬉しいポイントです。 - 和食
ゆっくりと会話を楽しみながら食事をしたいなら、ホテル内の和食レストランが最適です。
「札幌グランドホテル」の「ガーデンダイニング環樂」は、美しい日本庭園を眺めながら食事ができる、まさに大人のための空間。
サービスも一流で、特別な日の食事にもぴったりです。 - 洋食・カフェ
歩き疲れた時の休憩には、百貨店内のカフェが便利です。
「札幌グランドホテル」の1階にある「ザ・ベーカリー&ペイストリー」では、ホテル伝統のアップルパイやケーキを、落ち着いたラウンジでいただくことができます。
食事の計画を立てる際、私がよく使うのが「昼食は少しリッチに、夕食はホテルの近くで手軽に」という作戦です。
日中の活動で一番元気な時間帯に、少し足を延ばしてでも食べたいものを楽しみ、疲れてくる夕方は、ホテルの近くでゆっくり食べる、というスタイルだとすぐにホテルに帰れるので安心です。
その日の体調に合わせて、柔軟に食事のスタイルを変えられるようにしておくと、旅がもっと楽になります。
高齢者が避けるべき札幌の観光地リスト
「避けるべき」は「行ってはいけない」という意味ではありません。攻略法を知っておくことで、どんな場所も最高の思い出の場所に変わります。

旅行の計画を立てていると、「ここは高齢者には向かないかも…」と、リストから外してしまう場所がいくつか出てくるかもしれませんね。
この見出しを見て、「やっぱり、あそこは諦めた方がいいのね」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、少し待ってください。私がここでお伝えしたいのは、決して「行ってはいけない場所のリスト」ではありません。
そうではなく、「何も知らずに訪れると、大変な思いをする可能性があるけれど、攻略法を事前に知っておけば、快適に楽しめる場所に変わる」という、前向きな情報です。
藻岩山(もいわやま):絶景への道は「登る」のではなく「乗る」
札幌の中心部からアクセスしやすく、日本新三大夜景にも選ばれた藻岩山。
その山頂からのパノラマビューは、訪れる人々を魅了します。
しかし、注意すべきは「藻岩山登山道」という存在です。
その名の通り、これは本格的な登山コースであり、急な坂道や石が転がる未舗装路が続きます。
体力に自信のある方ならいざ知らず、高齢者の方や足腰に不安のある方が安易に足を踏み入れるべき場所では絶対にありません。
攻略法:「ロープウェイ」とミニケーブルカー「もーりすカー」を活用
藻岩山の本当の魅力は、登山という苦労を一切しなくても、その山頂からの絶景を誰もが平等に楽しめる点にあります。
その鍵となるのが、「ロープウェイ」とミニケーブルカー「もーりすカー」。
山麓駅から中腹駅までは、大きな窓から景色を楽しめるロープウェイで一気に上がり、そこから山頂駅までは、森の中を進む可愛らしいケーブルカーに乗り換えます。
驚くほど完璧にバリアフリー化されています。
乗り場には段差がなく、山頂の展望台やレストラン、トイレもすべてエレベーターで結ばれているため、車椅子のままでも何の支障もなく、札幌の街並みを360度見渡す特等席までたどり着くことができるのです。出典:札幌もいわ山ロープウェイ
円山公園と北海道神宮:広大な敷地は「点で攻める」
桜の名所としても知られる円山公園と、隣接する北海道の総鎮守・北海道神宮。
どちらも札幌を代表するパワースポットですが、その広大さが時にネックとなります。
特に、北海道神宮の境内は、厳かな雰囲気を醸し出す玉砂利が敷き詰められた参道が多く、車椅子や杖を利用する方にとっては非常に歩きにくいのが実情です。
また、円山公園の公式サイトには「スロープなし」との記載があり、車椅子利用者専用の駐車場も設けられていません。出典:円山公園
攻略法:「面」ではなく「点」で攻める
つまり、公園全体を歩き回ろうとせず、目的を明確に絞るのです。
- まず、移動は必ずタクシーを利用し、「北海道神宮の祈祷者駐車場(または最も近い入口)」まで直接乗り付けます。
- 北海道神宮には、実は車椅子用のスロープが設けられた舗装済みの参拝ルートが別に用意されています。
多目的トイレも完備されているので、安心して参拝することが可能です。
事前に社務所に電話で問い合わせておくと、よりスムーズに案内してもらえます。 - 公園の散策は、無理に行おうとせず、参拝後に平坦なエリアにあるベンチに座って、木々の緑や澄んだ空気を楽しむ程度に留めるのが賢明です。
札幌芸術の森:広大なアート空間は「タクシーでワープする」
40ヘクタール(東京ドーム約8.5個分)という広大な敷地に、美術館や野外ステージ、工房などが点在する札幌芸術の森。
特に、自然の地形を生かして彫刻が配置されている「野外美術館」は、すべてを鑑賞しようとすると、起伏のある道をかなりの距離歩くことになります。
攻略法:タクシーを「移動手段」ではなく「ワープ装置」として使う
路線バスを利用して「芸術の森入口」停留所で降りてしまうと、中心施設である「芸術の森センター」まで、緩やかな上り坂を5分以上歩くことになります。
これは、体力に不安のある方にはかなりの負担です。
しかし、タクシーであれば、目的の「札幌芸術の森美術館」の目の前まで直接乗り付けることができます。
野外美術館を楽しみたい場合も、まずはセンターまでタクシーで行き、そこで車椅子を借りたり(無料貸出あり)、多目的トイレを利用したりと、拠点を整えましょう。
そして、野外美術館に設定されている「バリアフリーコース」に沿って、体力と相談しながら、無理のない範囲で鑑賞するのが最も賢い楽しみ方です。出典:札幌芸術の森
このように、一見すると「歩かない旅行」には不向きに思える場所でも、事前の情報収集とタクシーなどの移動手段の工夫によって、十分に楽しむことが可能です。
「行けない」と諦める前に、「どうすれば行けるか」を考えてみましょう。
高齢者の札幌旅行で知っておくべき注意点
出発前の「ちょっとした準備」と「心構え」で旅の快適度が変わります。

ここまで、札幌の具体的な楽しみ方や移動手段についてお話ししてきました。
最後に、旅のクオリティをもう一段階引き上げ、あらゆる「万が一」を「大丈夫」に変えるための、総仕上げとも言える注意点をお伝えします。
私自身、旅行が好きで色々な場所に両親を連れて行きましたが、やはりいざというとき「持ってきてよかった!」と感じるのは、飲み慣れた常備薬だったりします。
逆に、「あぁ、あれさえあれば…」と後悔するのも、そうした些細な準備を怠った時です。
ここでは、そんな私のリアルな経験も交えながら、あなたの札幌旅行が最後まで快適で心穏やかなものになるよう、最後のひと押しとなる情報をお届けします。
1. 持ち物は「完璧」より「身軽」を目指す。「現地調達」という賢い選択
旅行の準備をしていると、不安からついつい「あれもこれも」と荷物が増えてしまいがちですよね。
しかし、荷物の重さは、そのまま身体的な負担に直結します。
特に高齢者の方との旅行では、「必要なものは、本当に必要な時に、最適な場所で手に入れる」という発想を持つことが、旅を楽にする大きな秘訣です。
【これだけは絶対に忘れないで!三種の神器】
とはいえ、どんなに荷物を減らしても、これだけは絶対に手荷物に入れてください。
三種の神器
- 健康保険証(コピーではなく原本)
- お薬手帳
- 普段服用している常備薬(旅行日数分+予備)
旅先で体調が変化した際、これらがあるかないかで、受けられる医療のスムーズさが全く違います。
これさえあれば、他のものは何とかなる、というくらい重要なお守りです。
【札幌に着いてから買うのが正解!なアイテム達】
逆にかさばる物や、現地の方がより良いものが手に入る物は、思い切って「現地調達リスト」に入れてしまいましょう。
現地調達も視野に
- 冬の滑り止め
前述の通り、これは現地調達品の代表格です。
札幌のコンビニや駅売店で手軽に購入できます。 - 専門的な介護用品
「もしかしたら必要になるかも…」と、予備の大人用紙おむつや介護食をたくさん持っていくのは大変ですよね。
札幌は大都市なので大手ドラッグストアが至る所にあります。 - ワンランク上のシニア向けグッズ
もし旅の記念に素敵なものが欲しくなったら、大通エリアにある百貨店「丸井今井札幌本店」を覗いてみるのもおすすめです。
6階には「健康介護サポートショップ」があり、デザイン性の高いおしゃれな杖や、驚くほど軽くて歩きやすい機能性シューズ、着脱が楽な旅行用の衣類など、生活の質を高めてくれるアイテムが揃っています。
旅先で、新しいお気に入りの相棒を見つけるのも素敵な思い出になりますね。出典:丸井今井札幌本店
2. 気候に合わせた服装の準備
札幌は季節による寒暖差が非常に大きい都市です。
- 冬(12月~3月)
防水・防風のダウンコート、重ね着用フリース、滑りにくい冬靴、帽子、手袋、マフラーは必須です。 - 夏(6月~8月)
日中は半袖で過ごせても、朝晩は冷え込むことがあります。
必ず薄手のカーディガンやジャケットなど、羽織るものを一枚持参してください。また、日差し対策の帽子やサングラスも忘れずに。
3. 無理のないスケジュールを心がける
本記事で様々なモデルプランをご紹介しましたが、これらはあくまで参考です。
最も大切なのは、その日の体調に合わせて、いつでも予定を変更できる心の余裕を持つことです。
「疲れたら休む」「気が乗らなければ行かない」という選択も、楽しい旅を続けるためには重要です。
特に、到着日と出発日は移動の疲れが出やすいので、予定を詰め込みすぎないようにしましょう。
4. 水分補給を忘れずに
「トイレが近くなるから」と水分を控えてしまう方がいますが、これは脱水症状を引き起こす可能性があり危険です。
特に夏場はもちろん、冬場も暖房の効いた屋内は乾燥しています。喉が渇いていなくても、こまめに水分を摂ることを意識してください。
事前に訪れる施設のトイレの場所をマップで確認しておけば、安心して水分補給ができますね。
5. 食事の配慮
塩分や糖分に制限がある場合や、アレルギーがある場合は、予約時にレストランに伝えておくと、対応してもらえることがあります。
また、ホテルによっては、高齢者向けに刻み食やおかゆなどを用意してくれる場合もあるので、事前に相談してみると良いでしょう。
6.持ち物リストまとめ
札幌へのお得なアクセス情報
札幌での素敵な過ごし方がイメージできたら、「どうやって札幌へ行くか」も重要ですよね。
65歳以上の方には、エアドゥの「DOシニア65」がおすすめです。
当日に空席があれば購入でき、通常運賃の半額以下になることも!
体調の良い日を選んで出発できるので、シニアの方の旅行にぴったりの制度です。
札幌の観光施設まとめ(本記事で紹介した施設)
施設名 | 営業時間 | アクセス | バリアフリー設備 | 料金 | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|---|
JRタワー展望室T38 展望施設 | 10:00〜22:00 (最終入場21:30) | JR札幌駅直結 エレベーター利用 | 大人 740円 65歳以上 640円 | 座って景色を堪能 併設カフェあり | |
札幌市時計台 歴史的建造物 | 8:45〜17:10 (最終入館17:00) 月曜休館(祝日の場合は翌日) | 札幌駅から車5分 大通駅から徒歩5分 | 大人 200円 高校生以下無料 | 外観だけでも価値 係員が親切対応 | |
白い恋人パーク テーマパーク | 10:00〜17:00 | 札幌駅から車25分 地下鉄宮の沢駅徒歩7分 | 大人 800円 65歳以上 700円 | 屋内中心で天候不問 限定スイーツ必食 | |
サッポロビール博物館 博物館 | 11:00〜20:00 (最終入館19:30) 毎週月曜休館 | 札幌駅から車15分 循環バス利用可 | 入館無料 試飲は有料 | 歴史的建造物 ビール園併設 | |
藻岩山ロープウェイ 観光施設 | 夏季 10:30〜22:00 冬季 11:00〜22:00 悪天候時運休あり | 札幌駅から車20分 市電でアクセス可 | 往復 1,800円 65歳以上 1,620円 | 日本新三大夜景 登山不要で絶景 | |
札幌駅地下街 商業施設 | 通路 5:30〜24:30 店舗 10:00〜21:00 | JR・地下鉄直結 多数のビル接続 | 通行無料 | 全天候型移動 休憩場所多数 |
高齢者の歩かない旅行・札幌編|体力別モデルコース完全ガイドまとめ

- 札幌旅行は体力に合わせてプランを立てる
- 体力に自信がない方は1日の観光を1箇所に絞りタクシーをフル活用する
- 定番スポットを巡り午後は体調に合わせて選択すると余裕ができる
- アクティブな人は地下鉄も使いグルメや夜景まで札幌を一日中満喫
- JRタワー展望室や白い恋人パークは天候に左右されずバリアフリーも万全で安心
- 移動は観光タクシーと福祉タクシーの違いを理解しニーズに合わせて予約する
- 冬の札幌は路面凍結に要注意で現地で買える「着脱式滑り止め」が必須アイテム
- 夏の札幌は熱中症対策が重要で「クーリングシェルター」の場所を知っておくと便利
- 札幌駅や大通をつなぐ地下歩行空間は天候を気にせず移動できる最強のインフラ
- 車椅子での地下鉄利用時は駅係員に「渡し板」をお願いする
- ホテルは駅直結や徒歩圏内でバリアフリールームのある施設の選択肢もあり
- レストランは椅子席で予約可能なお店を選ぶと待ち時間なく快適に食事ができる
- 藻岩山や芸術の森など広大な場所はタクシーで入口まで行くのが賢い選択
- 健康保険証とお薬手帳は必ず持参し無理のないスケジュールを心がける
- 荷物は最小限にし介護用品や滑り止めは現地調達も視野に入れる