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60代海外旅行おすすめ5選!体力に合わせた旅先と計画術

60代海外旅行おすすめ5選!体力に合わせた旅先と計画術

時間にゆとりが生まれ、「いつかは行ってみたかった」憧れの場所へ旅立つ絶好の機会が訪れる60代。

しかし、若い頃と同じ感覚で計画を立ててしまうと、思わぬところで疲れを感じてしまうこともあるかもしれません。

私自身、両親と旅行した際に、つい自分のペースで歩き回ってしまい、後で両親がすっかり疲れていたという苦い経験があります。

この記事では、60代の海外旅行におすすめの、心から楽しめる旅先の選び方から、60代の方が海外旅行で疲れることなく、最高の思い出を作るための具体的な計画の立て方、そして何よりも大切な健康管理のポイントまで、あなたの旅に寄り添い、その不安を「楽しみ」に変えるための情報を網羅的にご紹介します。

記事のポイント

  1. 60代の今だからこそ、おすすめの海外旅行先5選
  2. 海外旅行で疲れを感じる本当の原因と、今日からできる具体的な対策
  3. 「個人旅行」と「ツアー」のメリット・デメリットを徹底比較
  4. 「もしも」の時に自分と家族を守る、海外旅行保険の賢い選び方

60代海外旅行おすすめの旅先ベスト5

  • ヨーロッパ周遊|憧れの歴史と文化を巡る10日間
  • 北欧|オーロラと白夜の神秘体験
  • スペイン|情熱の国で味わう美食とフラメンコ
  • 台湾|気軽に行ける親日国で温泉三昧
  • ペルー・マチュピチュ|一生に一度は見たい絶景
旅先飛行時間ベストシーズン予算目安注意点
ヨーロッパ周遊
憧れの歴史と文化を巡る
12~14時間5~10月45万円~移動が多く体力が必要
北欧
オーロラと白夜の神秘体験
11~13時間夏・冬37万円~物価が世界トップクラス
スペイン
情熱の国で美食とフラメンコ
14~15時間4~6月、9~11月30万円~スリや置き引きに要注意
台湾
気軽に行ける親日国
3~4時間3~5月、10~11月12万円~夏は高温多湿で過酷
ペルー
天空都市マチュピチュ
20時間以上5~9月50万円~高山病リスク・要体力

ヨーロッパ周遊|憧れの歴史と文化を巡る10日間

憧れのヨーロッパは、ゆったりと余裕を持ったスケジュールで巡りましょう

ヨーロッパ周遊|憧れの歴史と文化を巡る10日間

ヨーロッパ周遊と聞くと、心が躍るような気持ちになりますね。

歴史の教科書で見た荘厳な建造物、美術館に静かに佇む名画の数々、そして歩いているだけで映画の主人公になったような気分になれる洗練された街並み。

これらは、訪れる人々の心を豊かにし、人生に新たな彩りを加えてくれます。

特に、時間に縛られることなく旅の計画を立てられる60代は、複数の国を巡り、その土地ごとの多様な文化や空気感を肌で感じる、そのような贅沢な旅をじっくりと楽しむのに、まさに最適な時期と言えるでしょう。

例えば、イタリア、フランス、スイスを巡る10日間の旅を想像してみてください。

ローマでは、コロッセオの巨大さに圧倒され、古代の剣闘士たちの歓声に思いを馳せます。

フィレンツェのウフィツィ美術館では、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」の前に立ち、その繊細な美しさに時を忘れるでしょう。

そして、パリのセーヌ川沿いを散策し、カフェのテラスで道行く人々を眺めながら一息つく。

旅の締めくくりには、スイスのインターラーケンから登山鉄道に乗り、ユングフラウの雄大な雪景色に心が洗われます。

このように、歴史都市の魅力と壮大な自然の魅力をバランス良く組み合わせることで、毎日が新しい発見と感動に満ちた、変化に富んだ旅が実現します。

一方で、この魅力的なヨーロッパ周遊旅行には、事前に知っておきたい注意点もあります。

都市間の移動に伴う体力の消耗

最大の課題は、やはり都市間の移動に伴う体力の消耗です。

バスや鉄道での長距離移動は、長時間同じ姿勢でいることが多く、足の血流が滞って血栓ができてしまう、いわゆる「エコノミークラス症候群」のリスクを高める可能性があります。

特に、機内や車内は乾燥しているため、知らず知らずのうちに体内の水分が失われ、血液が固まりやすい状態になりがちです。出典:厚生労働省

また、ヨーロッパの古い街並みの魅力である「石畳」。

これは、見た目には大変風情がありますが、歩きやすさの点では注意が必要です。

スーツケースのキャスターがガタガタと音を立てて進みにくく、腕や腰に思った以上の負担がかかります。

ヒールのない、歩き慣れた靴が必須なのは言うまでもありません。

年齢とともに筋力が少しずつ変化する「サルコペニア」の影響もあり、若い頃の感覚で旅程を詰め込みすぎると、ホテルに戻る頃には足が棒のようになってしまうことも。。。

旅の後半を元気に楽しむためにも、各都市で最低でも2泊はするような、「明日のための休息」を意識した、ゆとりのあるスケジュールを組むことが、何よりも大切です。

ポイント

  • 最近の旅行スタイルとして人気なのが、「1都市滞在型」の旅です。
  • 例えば、ローマに4泊して、そのうちの1日を使い高速鉄道で日帰りでフィレンツェを訪れる、といった形です。
  • これなら、毎日のように重いスーツケースを荷造りする手間から解放されますし、同じホテルに連泊することで、まるでその街に暮らしているかのような、落ち着いた時間を過ごすことができます。
  • 体への負担も大きく軽減できるので、60代からのヨーロッパ旅行には、ぜひ検討していただきたいスタイルです。

北欧|オーロラと白夜の神秘体験

北欧の旅では、日常の喧騒を忘れさせてくれる静寂と、心に深く刻まれる神秘的な光の体験が待っています。

北欧|オーロラと白夜の神秘体験

「オーロラ」や「白夜」という言葉を聞くだけで、壮大な自然のドラマを想像して心がときめきませんか。

北欧の旅は、他のどの地域とも違う、ユニークで特別な体験を求める方には、まさにおすすめのデスティネーションです。

冬の夜空を幻想的に彩るオーロラ、そして夏に訪れる太陽が決して沈むことのない白夜。

これらの神秘的な自然現象は、私たちの日常の悩みなど吹き飛ばしてしまうような、地球の雄大さを肌で感じさせてくれる、きっと一生忘れられない思い出となるでしょう。

オーロラ鑑賞を旅の主な目的に考えるなら、ベストシーズンはやはり冬(11月~3月頃)です。

フィンランドのラップランド地方や、ノルウェーのトロムソといった北極圏の街が有名な観測地。

最近では、天井がガラス張りになった「ガラスイグルー」と呼ばれる特別なホテルに宿泊し、暖かいベッドの中から夜空にオーロラが現れるのを待つ、という夢のような体験も可能です。

寒さが苦手な方でも、これなら安心してオーロラ探しに挑戦できますね。

一方で、太陽が長く昇る夏(6月~8月頃)の北欧も、冬とは全く違う魅力に溢れています。

涼しく過ごしやすい気候の中、ノルウェーの壮大なフィヨルドの景色をクルーズ船からゆったりと眺めたり、スウェーデンのストックホルムやデンマークのコペンハーゲンといった美しい港町の街並みを、時間を気にせずのんびりと散策したり。

夜10時を過ぎても空が明るいというのは、一日が長くなったようで、とても得をした気分になります。

おすすめポイント:治安の良さ

北欧諸国が60代の旅先として特におすすめできる理由の一つに、その卓越した治安の良さが挙げられます。

世界平和度指数(Global Peace Index)でも、常に上位にランクインしており、清潔で、人々も穏やかなため、海外旅行に慣れていない方でも安心して過ごせる環境が整っています。

また、公共交通機関も時間通りに正確に運行されており、個人での移動がしやすいのも大きな魅力です。

特にスウェーデンはバリアフリー先進国としても知られ、高齢者や車椅子利用者にも配慮した街づくりが進んでいるため、誰もが快適に旅行を楽しめます。出典:VisitSweden

世界トップクラスの物価の高さ

そんな魅力的な北欧旅行で、唯一、覚悟しておかなければならないのが、世界トップクラスの物価の高さです。

特に外食の費用は、日本と比較すると驚くほど高額になる傾向があります。

例えば、レストランで簡単な昼食を頼んだだけでも、一人3,000円から4,000円はかかってしまうことも珍しくありません。

6泊8日の北欧周遊モデルケースでは、航空券・宿泊・観光を含め約37万5,130円が相場とされています。出典:TravelVision

旅の費用を少しでも抑えたい場合は、現地のスーパーマーケットを上手に活用するのがコツです。

パンやチーズ、ハムなどを購入して、ホテルの部屋で簡単なサンドイッチを作って食べる日を設けるなど、少し工夫するだけで食費はかなり節約できます。

また、冬にオーロラ鑑賞へ行く際は、日本の冬とは比較にならないほどの厳しい寒さに備え、機能性インナーの重ね着はもちろん、防水・防風機能のあるアウター、滑りにくいスノーブーツ、帽子、手袋など、万全の防寒対策が必須となります。

スペイン|情熱の国で味わう美食とフラメンコ

スペインの旅は、心も体も元気になる、五感をフルに使う最高のエンターテイメント

スペイン|情熱の国で味わう美食とフラメンコ

燦々と降り注ぐ太陽の光、街角から聞こえてくる陽気な音楽、そして人々の屈託のない笑顔。

情熱の国スペインは、ただそこにいるだけで、心が軽くなり、自然と元気が湧いてくるような不思議な魅力に満ちています。

バルセロナでは、アントニ・ガウディが設計したサグラダ・ファミリアやグエル公園の、まるでおとぎの国に迷い込んだかのような独創的な建築群に圧倒され、アンダルシア地方のセビージャでは、魂を揺さぶるような本場のフラメンコの迫力に、思わず息をのみます。

そして何より、旅の大きな楽しみである「食」。

魚介の旨味が凝縮されたパエリア、小皿で色々な料理を楽しめるタパス、そして世界最高峰の生ハム「ハモン・イベリコ」。

スペインの旅は、まさに五感の全てを刺激する、忘れられない体験の連続です。

マドリードのプラド美術館でベラスケスやゴヤの傑作を心ゆくまで鑑賞し、夜はバルを巡って地元の人々と陽気に語らう。

高速鉄道AVEに乗って南へ向かえば、イスラム文化の影響が色濃く残るグラナダのアルハンブラ宮殿や、白い壁の家々が青い空に映えるミハスの村が待っています。

このように、訪れる都市ごとに全く異なる文化や景色が広がるのが、スペインの旅の尽きない魅力です。

シエスタとは?

スペインの文化で有名なのが「シエスタ」と呼ばれる長い昼休憩の習慣です。

おおよそ午後2時から5時頃まで、多くの店やレストラン、観光施設までもが閉まってしまうことがあります。

これを知らずに観光計画を立ててしまうと、「せっかく来たのに店が全部閉まっている」ということにもなりかねません。

この時間は、私たち旅行者も現地の習慣にならい、一度ホテルに戻って休憩し、夜の活動に備えるのが賢い過ごし方です。

スペインの夕食の時間は夜8時以降と日本より遅いので、昼間にしっかり休んでおくことが、夜まで元気に楽しむコツです。

観光客を狙った犯罪、特にスリや置き引きに注意

ヨーロッパの中では比較的物価が安く、旅行費用を抑えやすいのも嬉しいポイントですが、その一方で、観光客を狙った犯罪、特にスリや置き引きが非常に多い国であることは、残念ながら事実です。

外務省の海外安全ホームページでも、スリや置き引き、偽警官による詐欺などの手口について、具体的な注意喚起がなされています。出典:外務省

特に、マドリードやバルセロナの地下鉄、駅、空港、そしてサグラダ・ファミリアのような有名観光地の周辺は、犯罪者の「活動場所」と言っても過言ではありません。

対策としては、以下のことを徹底してください。

注意

  • バッグは体の前に抱えるように持つ
    リュックサックは前に背負うのが最も安全です。
  • 貴重品は分散させる
    パスポート、現金、クレジットカードは一か所にまとめず、服の内ポケットなど、外から見えない場所に分けて保管しましょう。
  • 持ち歩く現金は最小限に
    多くの場所でクレジットカードが使えるので、大金を持ち歩く必要はありません。
  • 話しかけてくる人に安易に注意を向けない
    親切を装って話しかけ、仲間がその隙にバッグを盗む、という集団での犯行も多いです。

「自分だけは大丈夫」という油断が最も危険です。

楽しい思い出を悲しい記憶に変えないためにも、常に警戒心を持つことが、スペイン旅行を成功させるための最大の秘訣です。

台湾|気軽に行ける親日国で温泉三昧

フライト時間が短く、心も体もリラックスできる台湾は、海外旅行が初めての方にも最適な、安心の旅先です。

台湾|気軽に行ける親日国で温泉三昧

「海外旅行には憧れるけれど、長時間のフライトや時差を考えると、どうしても躊躇してしまう…」

そんな方に、私が心からおすすめしたいのが、お隣の国、台湾です。

日本から飛行機でわずか3~4時間程度、時差もたったの1時間。

これなら、体への負担も少なく、週末に休暇を1日プラスするだけで、十分に満喫できる手軽さが最大の魅力です。

台湾が60代の旅に最適な理由は、この圧倒的な安心感にあります。

非常に親日的で、街を歩けば日本語の看板を目にすることも珍しくありません。

特に台北市内は、清潔で安全なMRT(地下鉄)が網の目のように走っており、主要な観光スポットへ簡単かつ安価に移動できます。

駅のホームから改札まで、エレベーターやエスカレーターがしっかりと整備されている場所が多く、階段の上り下りが不安な方でも、ストレスなく街歩きを楽しめるよう配慮されています。

これは、シニア世代にとって、本当にありがたい点ですね。

旅の楽しみといえば、やはりグルメ。

小籠包の名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」や、とろけるような牛肉が乗った牛肉麺は必食ですが、台湾グルメの魅力はそれだけではありません。

漢方の考え方が根付いた、体に優しいスープや、新鮮な野菜をたっぷり使った家庭料理など、胃腸に負担をかけない美味しいものがたくさんあります。

また、歴史ある茶藝館(ちゃげいかん)で、台湾が誇る高品質な烏龍茶をゆっくりと味わう時間も、大人の旅ならではの贅沢なひとときです。

そして、60代の旅でぜひ体験していただきたいのが、意外と知られていない台湾の温泉です。

日本と同じ火山帯に位置する台湾は、実は知る人ぞ知る温泉天国。

台北市内からMRTで30分ほどで行ける北投(ベイトウ)温泉は、世界でも珍しい青みがかった「ラジウム泉」で有名です。

また、少し足を延ばして、東海岸の宜蘭(イーラン)にある礁渓(ジャオシー)温泉は、街のあちこちから湯けむりが上がる風情ある温泉郷。

日本の温泉旅館のような、落ち着いた雰囲気の宿も多く、旅の疲れを芯から癒すことができます。

気候に注意

そんな魅力満載の台湾ですが、旅行計画の際に少しだけ注意したい点もあります。それは気候です。

特に夏場(6月~9月)は、年間の平均気温が30度を超え、湿度も非常に高くなるため、日本の夏以上に蒸し暑く感じられます。

屋外を長時間歩く観光は、体力的にかなり厳しいかもしれません。

体力に自信のない方や、暑さが苦手な方は、この時期を避け、比較的過ごしやすい春(3月~5月)や秋(10月~11月)に旅行を計画するのが賢明です。

入国はオンラインでの事前申請に

手続き上の変更点として、2025年10月1日からは、これまで飛行機の機内で配布されていた紙の入国カードが廃止され、オンラインでの事前申請が必須となります。

渡航前に、台湾内政部移民署のウェブサイトから忘れずに登録を済ませておきましょう。

手続き自体は難しくありませんが、忘れると入国時に手間取ることになるので注意が必要です。出典:内政部

ペルー・マチュピチュ|一生に一度は見たい絶景

天空都市マチュピチュは、まさに一生に一度の絶景ですが、その感動を手にするためには、周到な準備と覚悟が何よりも大切になります。

ペルー・マチュピチュ|一生に一度は見たい絶景

アンデスの山々が連なる険しい尾根に、忽然と姿を現す石造りの都市。

インカ帝国が残した最大の謎とも言われる天空都市マチュピチュ。

その圧倒的なまでの景観は、写真や映像で何度見ても、実際にその場に立った時の感動には到底及びません。

多くの旅人が「死ぬまでに一度は訪れたい場所」としてその名を挙げる、まさに究極のデスティネーション。

体力も気力もまだまだ充実している60代の今だからこそ、挑戦する価値のある、壮大な冒険の旅と言えるでしょう。

山々の頂に広がる精巧な石組みの都市遺跡を目の当たりにした時、きっと言葉を失うほどの感動と、ここまでやって来たという大きな達成感に包まれるはずです。

しかし、この比類なき感動を手にするためには、他のどの旅先よりも、入念な準備と、そしていくつかの困難に立ち向かう覚悟が必要です。

マチュピチュは、「ハイリスク・ハイリターン」な旅先であることを、まず心に留めておくことが重要です

マチュピチュ旅行で直面する可能性のある、3つの大きな課題について具体的にお話しします。

課題1:高山病

ペルー旅行における最大の健康リスク、それが高山病です。

旅の拠点となる街クスコは、富士山の8合目とほぼ同じ、標高約3,400mに位置します。

この高さでは、空気が薄く酸素濃度が低いため、多くの人が頭痛、吐き気、めまい、息切れといった症状を経験します。

これは、若さや体力とは関係なく、誰にでも起こりうる体の自然な反応です。

対策として最も重要なのは、高地に体をゆっくり慣らすこと(順応)です。

クスコに到着した初日は、絶対に無理をせず、ホテルの部屋で安静に過ごすことが鉄則。

水分を十分に摂り(コカ茶が有名です)、消化の良い食事を心がけ、アルコールや暴飲暴食は厳禁です。

予防薬としてアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)の服用も有効ですが、副作用もあるため、必ず出発前に日本のトラベルクリニックなどで医師に相談し、処方してもらう必要があります。出典:厚生労働省

課題2:体力的な負担

次に、体力的な問題です。

マチュピチュ遺跡の内部は、急な石の階段、手すりのない断崖沿いの道、そしてゴツゴツとした未舗装の通路が延々と続きます。

バリアフリーという概念は、ここには存在しません。

遺跡を隅々まで見て回るには、かなりの健脚と持久力が求められます。

日頃からウォーキングなどで足腰を鍛えておくことはもちろん、当日は無理のないペースで、休み休み進むことが大切です。

足腰に少しでも不安のある方にとっては、残念ながら非常に厳しい道のりとなることを、覚悟しておかなければなりません。

課題3:治安への懸念

最後に、治安の問題も無視できません。

外務省は、ペルーの一部地域に「渡航中止勧告」という高いレベルの危険情報を出しています。

リマやクスコといった主要な観光地でも、旅行者を狙った銃器使用の強盗や、睡眠薬を使った昏睡強盗、スリ、ひったくりなどの凶悪犯罪が頻繁に報告されており、抵抗したために命を落とすケースも発生しています。出典:外務省

これらのリスクを総合的に考えると、個人での手配旅行は極めてハードルが高いと言わざるを得ません。

ペルーへの旅行は、現地の安全対策や高地での健康管理に精通した、信頼できる旅行会社が企画・催行するツアーに参加することを、強く、強くおすすめします。

安全と安心を費用で確保する、という意識が、この旅では何よりも重要になります。

60代海外旅行おすすめの計画と注意点

  • 60代海外旅行疲れる原因と対策|体力配分のコツ
  • 個人旅行vsツアー|60代ならではの選び方
  • 趣味を活かす海外旅行|写真・歴史・美術館巡り
  • 夫婦旅行の楽しみ方|退職記念・結婚記念日プラン
  • 旅行保険と健康管理|60代から始める準備

60代海外旅行疲れる原因と対策|体力配分のコツ

旅の疲れは「気合」ではなく、原因を知って「科学的」に対策

60代海外旅行疲れる原因と対策|体力配分のコツ

「せっかくの海外旅行なのに、時差ボケで昼間はずっと眠いし、少し歩いただけですぐに疲れてしまって、結局ホテルの部屋で休んでばかりだった…」

そんな悲しい経験は、誰しも絶対に避けたいものですね。

60代からの海外旅行で多くの人が感じる「疲れ」。

その正体は、実は医学的な視点から見ると、大きく3つの原因に分けられます。

なぜ疲れるのか、その仕組みを正しく理解し、出発前から具体的な対策を立てておくことが、旅の満足度を左右する最も重要な鍵となります。

原因1:見えない筋力の変化「サルコペニア」

「昔はこれくらい平気だったのに…」と感じることが増えていませんか。

その原因の一つが、年齢とともに筋肉の量が自然と減少し、筋力が低下していく「サルコペニア」という現象です。

これは病気ではなく、誰にでも起こる自然な変化。

研究によれば、筋力は30代をピークに徐々に低下し、特に60歳を過ぎるとそのスピードが加速すると報告されています。

例えば、70歳から80歳代で筋肉量は30~40%も低下するというデータもあるほどです。出典:長寿科学振興財団

旅行中は、石畳の道を歩いたり、駅の階段を上り下りしたり、重いスーツケースを運んだりと、日常生活以上に下半身の筋力を使う場面が多くなります。

この見えない筋力の変化を自覚せずに、若い頃と同じ感覚で「あれもこれも」と予定を詰め込んでしまうと、疲労が蓄積し、膝や腰の痛みを引き起こす原因にもなりかねません。

大切なのは、現在の自分の体力レベルを客観的に把握し、「少し物足りないかな?」と感じるくらい、腹八分目のスケジュールを心がけることです。

日頃からウォーキングやスクワットなどで、無理のない範囲で筋力を維持しておくことも、もちろん有効な対策になります。

原因2:静かなるリスク「エコノミークラス症候群」

長時間、飛行機やバスの座席で身動きの取れない状態が続くと、足の静脈の血流が滞り、血の塊(血栓)ができてしまうことがあります。

これが、命に関わることもある怖い病気「深部静脈血栓症(DVT)」、通称「エコノミークラス症候群」です。

立ち上がった瞬間に、その血栓が血流に乗って肺に達し、肺の血管を詰まらせてしまう「肺塞栓症」を引き起こす危険性があります。

特に、50歳以上の方、肥満傾向の方、心臓や血管に持病のある方はリスクが高いとされています。出典:厚生労働省

このリスクは、少しの心がけで大幅に減らすことができます。

難しいことは何もありません。以下の5つのポイントを、ぜひ「フライト中の習慣」として覚えておいてください。

1
水分補給
1時間に1回は水を飲む。アルコールは控える。
2
足の運動
座ったまま足首を回す。かかとの上げ下げをする。
3
機内を歩く
トイレに立つ時に少し歩く。通路側の席がおすすめ。
4
楽な服装
締め付けない服を着る。ゴムのパンツが良い。
5
着圧ソックス
医療用の着圧ソックスで血流を助ける。
特に注意が必要な方
50歳以上、肥満傾向、心臓や血管に持病がある方は、リスクが高くなります。

原因3:手ごわい体内時計の乱れ「時差ボケ」

ヨーロッパやアメリカなど、大きな時差のある地域へ旅行する際に、避けては通れないのが時差ボケです。

これは、体内時計(サーカディアンリズム)が、現地の時刻にうまく同調できないために起こる心身の不調。

実は、この体内時計を調整する能力は、年齢とともに少しずつ低下するため、60代になると若い頃よりも時差ボケが抜けにくく、症状が重く感じられる傾向があります。出典:長寿科学振興財団

単なる眠気や倦怠感と侮ってはいけません。

睡眠不足と体内時計の乱れは、血圧の変動や血糖値のコントロール不良など、持病を不安定にさせる引き金になることも。

また、日中の集中力や判断力の低下は、慣れない海外での転倒や思わぬ事故のリスクを直接的に高めてしまいます。

時差ボケ対策は、「快適な旅のため」だけでなく、「安全な旅のため」の重要な健康管理と位置づけるべきなのです。

対策の鍵は、「光」を上手にコントロールすること

人間の体内時計をリセットする最も強力なスイッチは、太陽の光です。

現地に日中に到着した場合は、どんなに眠くても頑張って屋外で過ごし、太陽の光を浴びるようにしましょう。

逆に、現地が夜の時間帯に飛行機に乗っているなら、アイマスクなどを使って光を遮断し、眠る努力をすることが大切です。

また、現地に夕方以降に到着するフライトを選ぶと、ホテルにチェックインした後、自然な流れで夜の睡眠に入りやすくなるため、時差ボケの調整がスムーズに進むのでおすすめです。

個人旅行vsツアー|60代ならではの選び方

旅の目的と経験値から個人旅行とツアー、どちらが最適かを検討しましょう。

個人旅行vsツアー|60代ならではの選び方

海外旅行の計画を立てる時、多くの人が最初に悩むのが、「全部自分で手配する個人旅行にしようか、それとも旅行会社のパッケージツアーにしようか」という点ではないでしょうか。

それぞれに素晴らしいメリットがあり、同時に知っておくべきデメリットも存在します。

どちらが一方的に良いということはなく、ご自身のこれまでの海外旅行の経験や語学力、そして「今回の旅で何を一番大切にしたいか」という目的に合わせて、最適なスタイルを選ぶことが、後悔のない旅への第一歩となります。

まずは、それぞれの特徴を比較した下の表を見て、全体像を掴んでみましょう。

個人旅行
パッケージツアー
メリット
スケジュールが完全に自由
興味のある場所に好きなだけ滞在できる
現地の人との交流チャンスが多い
好きなレストランやホテルを選べる
手配が一切不要で楽
添乗員がいて言葉や安全面で安心
効率よく有名観光地を巡れる
個人では行きにくい場所にも行ける
デメリット
全て自分で手配する手間がかかる
トラブル時に自力で対応が必要
語学力が必要になる場面が多い
費用が高くつく場合がある
団体行動で時間に制約がある
土産物店に立ち寄ることがある
食事やホテルの選択肢が限られる
他の参加者に気を使う場面がある
個人旅行がおすすめの方
  • 特定の街にゆっくり滞在したい
  • 自分のペースで観光したい
  • 現地の暮らしを体験したい
  • 海外旅行経験がある
  • 簡単な英語ができる
ツアーがおすすめの方
  • 海外旅行の経験が少ない
  • 外国語に不安がある
  • 安心を最優先したい
  • 効率よく観光地を巡りたい
  • トラブル時のサポートを重視

この表を踏まえて、60代の方にはどのような選び方がおすすめか、具体的なケースで考えてみましょう。

海外旅行の経験がまだ少ない方、英語などの外国語に不安がある方、そして何よりも「安心」を最優先したい方

パッケージツアーがおすすめです。

特に、日本から添乗員が同行してくれるツアーであれば、空港のチェックインからホテルの手続き、レストランでの注文まで、旅のあらゆる場面でサポートしてもらえます。

万が一、パスポートを紛失したり、体調を崩したりといったトラブルが発生した際にも、すぐに対応してもらえるという安心感は、何物にも代えがたい大きなメリットです。

特定の街にゆっくりと滞在して、暮らすように旅をしたい方や、自分のペースで美術館を巡ったり、カフェで人間観察をしたりするのが好きな方

このような場合は、個人旅行に挑戦してみる価値は十分にあります。

最近では、航空券とホテルだけがセットになった「フリープラン」や「ダイナミックパッケージ」と呼ばれる商品も充実しています。

これらを利用すれば、面倒な航空券とホテルの手配の手間を省きつつ、現地では完全に自由に行動できるので、個人旅行とツアーの「良い部分」を組み合わせた旅が可能です。


ちなみに私が初めてヨーロッパを旅行した際は、迷わず添乗員付きのツアーを選びました。

ヨーロッパは移動が多いため、交通機関を調べたりといった手間が一切ないのは本当に楽でした。

ただ、道中で出会った日本人のシニアの方は、英語で現地の方とコンタクトを取りながら個人旅行で自由に旅をしており、とても素敵だと思いました。

また、最近ではツアーの形態も多様化しています。

例えば、ツアーに参加しながらも、特定の日の観光には参加せず、夫婦水入らずで自由行動をとることができる「離団」という選択肢もあります。

興味のない観光地をパスして、自分たちが行きたかったレストランでゆっくり昼食を楽しんだり、現地の友人と会ったりと、旅の自由度を格段に高めることができます。

離団を希望する場合は、ツアーを申し込む際に、旅行会社に可能かどうか、またその際の条件などを事前に確認しておくことが大切です。

趣味を活かす海外旅行|写真・歴史・美術館巡り

「好き」を旅の羅針盤にすれば、あなたの海外旅行は、ただの観光から忘れられない「物語」

趣味を活かす海外旅行|写真・歴史・美術館巡り

時間に追われることなく、自分のペースで旅の計画を立てられるようになる60代。

この貴重な時間を、ご自身が心から「好き」と思えることをテーマにした旅に費やしてみるのは、いかがでしょうか。

ただ有名な観光地を巡るだけの旅行とは一味も二味も違う、あなただけのオーダーメイドの旅は、知的好奇心を刺激し、人生をより一層豊かにしてくれる、最高の時間をもたらしてくれます。

写真が趣味なら「一瞬を永遠に切り取る旅」

「この感動を、一枚の写真に収めたい」。美しい風景や心惹かれる瞬間に、思わずカメラを構えてしまう方なら、その土地ならではの絶景を巡る「フォトジェニック・トリップ」がおすすめです。

例えば、カナディアンロッキーの鏡のような湖面に映り込む雄大な山々、ニュージーランドのミルフォードサウンドが織りなす朝霧に包まれた神秘的な景観、あるいはイタリアのチンクエ・テッレに連なる、断崖に寄り添うように建つカラフルな家々。

世界には、思わず息をのむような、シャッターを切りたくなる風景が溢れています。

ツアー旅行では、どうしても滞在時間が限られてしまい、「もう少しここにいて、光が変わるのを待ちたいのに…」と、後ろ髪を引かれる思いをすることも少なくありません。

しかし、個人旅行やフリープランの旅であれば、朝日が昇る瞬間や、街が夕日に染まる「マジックアワー」など、最高の光と瞬間を狙って、心ゆくまで撮影に没頭することができます。

これは、時間に縛られないシニア旅ならではの、何よりの贅沢と言えるでしょう。三脚を立て、じっくりと構図を練る。

そんな豊かな時間が、きっと最高の作品を生み出してくれるはずです。

歴史が好きなら「時空を超える知的な旅」

歴史小説を読んだり、ドキュメンタリー番組を観たりして、遠い過去の出来事に思いを馳せるのがお好きな方なら、世界遺産をテーマにした旅は、まさに知的な冒険そのものです。

ギリシャのアクロポリスの丘に立ち、古代アテネの民主主義の息吹を感じたり、エジプトのルクソールで、数千年の時を超えて色鮮やかに残る壁画に圧倒されたり、カンボジアのアンコールワットで、壮大なクメール建築の緻密さと宇宙観に驚嘆したり。

これまでの人生で培ってきた知識や教養があるからこそ、その遺跡や建造物が持つ歴史的な意味、そしてそこに生きた人々の物語を、より深く、立体的に理解することができます。

その感動は、若い頃に訪れた時とは比べ物にならないほど、心に響くものがあるはずです。

私の父も大の歴史好きで、退職後に母とイタリアを旅行した際、ローマのフォロ・ロマーノの遺跡群を何時間もかけて歩き回っていました。

事前にたくさんの本を読んでいた父は、一つ一つの石柱や建物の跡を指さしながら、「ここはカエサルが演説した場所だ」「ここが元老院の議事堂だよ」と、母に熱心に解説していたそうです。

その姿は、まるでタイムスリップした歴史学者のようだったと、母が笑いながら話してくれました。

このように、事前にその土地の歴史を学び直してから訪れることで、ただの石ころが、意味のある歴史の証人として見えてくる。

これこそ、大人の歴史旅の醍醐味です。

アートが好きなら「名画との対話を楽しむ旅」

一枚の絵や彫刻に、心が慰められたり、新たなインスピレーションをもらったり。

アートがお好きな方にとって、憧れの作品が収蔵されている美術館を訪ねる旅は、まさに至福のひとときです。

パリのルーブル美術館で「モナ・リザ」の謎めいた微笑みに向き合ったり、オルセー美術館でモネやルノワールといった印象派の光の表現に心を奪われたり。

あるいは、マドリードのプラド美術館、フィレンツェのウフィツィ美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館など、世界には、訪れるべき「美の殿堂」が数多く存在します。

ツアーでは、どうしてもハイライト作品を駆け足で見て回ることが多くなりがちですが、個人旅行であれば、お気に入りの画家の作品の前で、時間を忘れて心ゆくまで対話を楽しむことができます。

作品の筆遣いや色彩の細部までじっくりと鑑賞し、その絵が描かれた時代の空気や、画家の想いに心を寄せる。

そんな静かで豊かな時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる、最高の癒やしとなるでしょう。

美術館に併設されたカフェで、作品の余韻に浸りながらお茶を飲むのも、また格別な時間です。

夫婦旅行の楽しみ方|退職記念・結婚記念日プラン

夫婦の旅は、ただ一緒にいるだけでなく、お互いの新たな一面を発見し、これからの人生を共に歩むための絆を、より一層深める最高のチャンスです。

夫婦旅行の楽しみ方|退職記念・結婚記念日プラン

子育てという大きな役目を終え、ご主人が長年勤め上げた会社を定年退職されるなど、夫婦二人の時間がゆっくりと流れ始める60代。

それは、これまでの道のりを共に歩んでくれたパートナーへ感謝を伝え、そして「これから」の新しい門出を祝う、絶好のタイミングでもあります。

そんな大切な節目に、夫婦水入らずで海外旅行を計画される方も多いのではないでしょうか。

ただの旅行で終わらせない、お二人の心に深く刻まれる、より思い出深いものにするためのヒントをいくつかご紹介します。

「二人の好き」を旅のコンパスに

旅の計画を立てる時、まず最初に考えてみてほしいのが、「お二人共通の趣味や好きなことは何か?」ということです。

それを旅のテーマ、いわば「旅のコンパス」に据えることで、行き先や目的がぐっと絞りやすくなり、計画段階から心が躍ります。

例えば、お二人ともワインがお好きなら、フランスのボルドーやイタリアのトスカーナ地方を巡り、ぶどう畑の広がる景色の中で本場のワインと料理の相性を楽しむ。

ゴルフが共通の趣味なら、ハワイの青い海を望むリゾートコースや、ゴルフの聖地スコットランドの名門コースでプレイする。

あるいは、オペラやクラシック音楽がお好きなら、ウィーンやミラノで本場の歌声とオーケストラの響きに酔いしれる。

共通の目的があることで、自然と会話が弾み、旅への期待感が日に日に高まっていく。この準備期間こそ、夫婦旅行の最初の楽しみと言えるかもしれません。

旅のどこかに「特別な時間」を設ける

せっかくの記念旅行ですから、日常ではなかなか味わえないような、少しだけ贅沢で特別な体験を旅程に加えてみるのがおすすめです。

最も効果的なのは、フライトをビジネスクラスにアップグレードしてみることかもしれません。

もちろん費用はかかりますが、その価値は大きいものです。

180度リクライニングするフルフラットシートで足を伸ばしてぐっすり眠れば、ヨーロッパへの長いフライトでも驚くほど疲れが少なく、現地に到着したその日から元気に活動を開始できます。

空港での優先チェックインや、出発までの時間をゆったり過ごせるラウンジの利用も、旅のストレスを大きく軽減してくれます。出典:日本航空(JAL)

私の両親も、結婚40周年の記念に、と一度だけ奮発してビジネスクラスを利用しました。

母は「まるで空飛ぶレストランのようだった」と大変喜んでおり、その後の旅行中もずっと上機嫌だったようです。

他にも、星付きレストランで夕食を予約しておいたり、海の見える部屋や歴史あるホテルを指定したりと、旅のどこかに「非日常」の時間を一つ作るだけで、その旅は忘れられない特別なものに変わります。

「それぞれの自由」を尊重する勇気

どんなに仲の良い夫婦でも、長年連れ添ってきたからこそ、興味の対象や体力のレベル、そして旅先で見たいものは、微妙に、あるいは大きく異なるものです。

「自分はもっと街を歩き回りたいのに、夫はすぐにカフェで休みたがる」「妻の買い物に付き合うのが正直、少し退屈だ…」。

そんな小さなすれ違いが、積もり積って思わぬストレスや喧嘩の原因になることも。

夫婦旅行を成功させる最大の秘訣は、「お互いのペースと『好き』を尊重し合う勇気」を持つことです。

例えば、午前中は一緒に世界遺産を観光し、午後は思い切ってそれぞれ別行動にしてみる。

夫はホテルのプールサイドで持参した本を読み、妻は現地のマーケットを覗いて可愛い雑貨を探す。

歴史好きの夫は博物館へ、アート好きの妻は近代美術館へ。

一人の時間を持つことで、お互いに気兼ねなく自分の「好き」を追求でき、心からリフレッシュできます。

そして、夜にレストランで合流した時には、「こんな面白いものを見つけたよ」「美術館でこんな発見があった」と、お互いの体験を新鮮な気持ちで報告し合える。

それは、ずっと一緒に行動するよりも、かえって二人の会話を豊かにし、絆を深めてくれるのではないでしょうか。

旅行保険と健康管理|60代から始める準備

「備えあれば憂いなし」は、海外旅行の鉄則。特に健康面の準備は、最高の思い出を作るための、何よりものお守りになります。

旅行保険と健康管理|60代から始める準備

どれだけ完璧な旅行計画を立てても、予期せぬ病気やケガに見舞われてしまっては、せっかくの楽しみも台無しです。

特に、環境が大きく変わる海外では、普段は何ともない方でも体調を崩しやすくなるもの。

楽しい海外旅行を、心から安心して満喫するためには、「もしも」の事態への備えが不可欠です。

60代からの旅では、この健康面でのリスク管理が、旅の成否を分けると言っても過言ではありません。

出発前のしっかりとした準備が、現地での大きな安心感につながります。

海外旅行保険は「お守り」ではなく「必需品」

まず、声を大にしてお伝えしたいのが、海外旅行保険への加入は、もはや任意ではなく「必須」であるということです。

海外での医療費は、日本の健康保険が直接適用されないため、私たちの想像をはるかに超える高額な請求が発生することがあります。

例えば、ジェイアイ傷害火災保険のデータによると、ハワイで急性心筋梗塞になり入院・手術、そして専門のスタッフが付き添う医療チャーター機で日本へ搬送された60代女性のケースでは、かかった費用の総額が約1,942万円にも達したという事例が報告されています。出典:ジェイアイ傷害火災保険

このような万が一の事態に備えるため、保険を選ぶ際には、単に保険料の安さだけでなく、補償内容をしっかりと吟味することが重要です。

特に60代の方が注目すべきは、以下の3つのポイントです。

1. 治療・救援費用
推奨補償額
2,000万円以上(できれば無制限)

海外での医療費は想像以上に高額です。ハワイで心筋梗塞になった例では約1,942万円の費用が発生しました。

  • 家族の渡航費・滞在費
  • 日本への医療搬送費用
  • 現地での通訳費用
2. 傷害後遺障害
推奨補償額
1,000万円以上

旅行中の転倒事故などで後遺障害が残った場合の補償です。60代は骨折リスクも高く、治療終了後の生活を支える重要な保障です。

3. 持病の応急治療補償

高血圧や糖尿病などの持病がある方は必須の特約です。

持病・既往症応急治療費用補償特約

旅行中に症状が急激に悪化した場合の応急治療費用をカバー。必ず特約を付けましょう。

※保険加入時は健康状態を正確に告知してください

海外旅行保険は必需品です
補償内容をしっかり確認して選びましょう

旅は「出発前の健康診断」から始まっている

海外旅行の準備は、スーツケースに荷物を詰めるずっと前から始まっています。

理想を言えば、出発の1ヶ月から数ヶ月前には、かかりつけの医師に海外旅行の計画を伝え、健康状態をチェックしてもらいましょう。

「旅行に行っても問題ない」というお墨付きをもらうことで、精神的な安心感が大きく変わります。

特に、高血圧や糖尿病などの慢性疾患で日常的に薬を服用している方は、時差のある国へ行く際の服薬のタイミングについて、具体的な指示を仰いでおくことが非常に重要です。

自己判断で服薬時間をずらしてしまうと、体調を崩す原因になりかねません。

そして、忘れてはならないのが、薬の準備です。

常備薬は、実際の旅行日数よりも少し多めに用意し、必ず機内持ち込み用の手荷物に入れます。

万が一、預けたスーツケースが紛失(ロストバゲージ)してしまった場合でも、薬だけは手元に残るようにするためです。

その際、薬は元の包装や容器のまま持参することが望ましいです。

さらに、医師に「英文の薬剤証明書」や「英文の診断書」を作成してもらうことを、強くおすすめします。

これは、渡航先の税関で薬について説明を求められたり、現地で急に医療機関にかかったりする際に、あなたの健康状態を正確に伝えるための、何よりもの「お守り」となってくれるはずです。

60代の旅の準備タイムライン

1
3ヶ月前
!
パスポートの有効期限確認
旅行先の決定・情報収集
航空券・ホテルの予約
健康診断・かかりつけ医への相談
2
1ヶ月前
!
海外旅行保険の加入
常備薬の準備(予備分も)
英文診断書・薬剤証明書の取得
現地通貨の両替
3
1週間前
荷造り開始
重要書類のコピー作成
緊急連絡先リストの作成
体調管理(無理をしない)
4
前日
!
パスポート・航空券の最終確認
手荷物の重量確認
空港までの交通手段確認
十分な睡眠を取る

60代海外旅行おすすめ5選!体力に合わせた旅先と計画術まとめ

60代海外旅行おすすめ5選!体力に合わせた旅先と計画術まとめ
  • 60代の海外旅行は時間に余裕が生まれじっくり楽しめる絶好の機会
  • 旅先選びは体力や目的に合わせヨーロッパから台湾まで選択肢は多彩
  • ヨーロッパ周遊は憧れの文化に触れられるが体力配分が鍵
  • 北欧は治安が良く神秘的な自然体験ができるが物価が高い点に注意
  • スペインは美食と芸術が魅力だがスリなどの防犯対策は必須
  • 台湾は近くて親日的で温泉も楽しめるシニア初心者におすすめの旅先
  • ペルーのマチュピチュは絶景だが高山病や体力など相応の準備が必要
  • 旅行で疲れる原因は筋力低下やエコノミークラス症候群、時差ボケ
  • 疲れ対策にはゆとりのある日程とフライト中の運動や水分補給が有効
  • 個人旅行は自由度が高くツアーは安心感と効率性がメリット
  • 自分の経験や目的に合わせて旅行スタイルを選ぶことが大切
  • 写真や歴史、美術館巡りなど趣味をテーマにした旅は満足度が高い
  • 夫婦旅行では共通の趣味を楽しみ少し贅沢な体験をプラスするのも良い
  • 海外旅行保険は必須で治療・救援費用や後遺障害の補償額を重視する
  • 持病がある場合は対応する保険を選び出発前にかかりつけ医に相談する

-シニア向け旅行と準備