高齢者の下着選び「どうしたらいいんだろう?」って悩んでいませんか。
「高齢者にとってブラジャーは本当に必要?しない方が楽なのかな?」
「70代、80代のおばあちゃんには、どんなブラがおすすめ?」
そんな疑問は、家族だからこそ感じる優しい悩みですよね。
特に、介護が必要になった時や、本人がブラジャーを嫌がるようになった時には、どう判断すればいいのか迷うもの。
この記事では、ブラジャーを着ける理由・着けない理由を比べながら、締め付けが体に与える影響といった健康面のポイントも解説します。
シニア向けのブラジャーや、便利な前開きブラのメリットにも触れながら、シニア世代の方一人ひとりにぴったりの、一番心地よい選択を見つけるお手伝いをします。
高齢者にブラジャーは必要?する・しないの判断基準

- シニア(70代・80代)にブラジャーは必要?年代別の考え方
- ブラジャーをする理由・しない理由を徹底比較
- ブラジャーの締め付けは血流に悪い?健康への影響
- 高齢者がブラジャーを嫌がる・着けたがらない理由
- 介護時にブラジャーが必要かどうかの判断基準
シニア(70代・80代)にブラジャーは必要?年代別の考え方
高齢者の方にブラジャーが必要かどうか?この質問に、一つの答えはありません。
なぜなら、70代と80代以降では体の様子が少しずつ変わり、下着に求める役割も変わってくるからです。
「こうあるべき」という一つの考え方にとらわれず、ご本人の体に寄り添って考えることが大切です。
70代は、まだまだ元気な方が多い一方で、体の中では少しずつ変化が始まっています。
骨がもろくなったり、筋肉が自然に減っていく「サルコペニア」という現象で、姿勢や筋力が変わってくる時期。
肌のハリを保っていたコラーゲンも減って、弾力が失われ始めます。
だから、若い頃と同じようなしっかり支えるタイプのブラは、逆に苦しく感じてしまうこともあります。
「締め付けがなくて、楽な着け心地」が、下着選びの一番のポイントになってきます。
80代以降になると、その変化はもっと分かりやすくなります。
特に、背中が少しずつ丸くなる「円背(えんぱい)」が進むと、体の形そのものが変わってきます。
厚生労働省のデータを見ても、75歳を過ぎると握力がぐっと下がるなど、全体的に筋力が落ちてくるのがわかります。出典:厚生労働省
皮膚はさらに薄く、乾燥しやすくなるので、ちょっとした摩擦や圧力でも赤くなりやすい、とてもデリケートな状態になります。
肩の関節も動きにくくなって、今まで当たり前にできていた「背中でホックを留める」という動作が、痛みを伴う大変な作業に変わることも珍しくありません。
ポイント
下着メーカーのワコールが長年研究してきたデータによると、年を重ねるとバストの中身が脂肪に変わり、肌の弾力も落ちるため、ワイヤーで強く支える必要性はだんだん少なくなっていくそうです。出典:ワコール人間科学研究所
つまり、ブラジャーの役割は、形を整える「サポート」から、体を優しく包んで安心させてくれる「肌への優しさや、着心地への配慮」へと変わります。
特に背中が丸くなると、まっすぐなアンダーベルトのブラでは、背中側が上にずり上がって、前側が胸の下に食い込んでしまう、なんてことも。
これはサイズを変えても解決が難しく、丸くなった背中のカーブに合うように作られた、幅の広いアンダーベルトやベストのような形の下着を選ぶなど、根本的な見直しが必要になってきます。
ブラジャーをする理由・しない理由を徹底比較
ブラジャーを着けるか、着けないか。その選択には、本人や家族のいろんな気持ちや、毎日の生活の中での具体的な理由があります。
「どっちが正解」と決めつけるのではなく、それぞれの良いところ、気になるところを比べてみて、本人にとって一番心地よい選択を探してみましょう。
ブラジャーをする主な理由:気持ちのハリと、清潔さ、長年の習慣
長年ずっと身に着けてきたブラジャーは、ただの布ではありません。
その人の生活や気持ちの一部になっていることもあります。着け続けるのには、こんな理由があります。
- 体を清潔に保つため
胸の下は意外と汗をかきやすい場所。特に夏や暖房の効いた部屋では、汗が原因であせもや肌荒れが起こることも。
ブラジャーが汗を吸い取ってくれることで、肌をさっぱりと清潔に保ち、肌トラブルを防ぐ役割があります。 - 身だしなみとして
薄手の服を着た時に、胸の形が透けるのを防いでくれます。
「きちんとしていたい」という気持ちは、年齢に関係なく大切なもの。
身だしなみを整えることは、自信や社会とのつながりを保つ上でも重要です。 - 体の不快感を減らすため
歩く時などに胸が揺れるのが気になる、という方もいます。
ブラジャーが優しく支えてくれることで、そんな不快感が減り、安心して活動できます。 - 気持ちのスイッチ
「ブラジャーを着けると、シャキッとする」「一日が始まる感じがする」という方も多いです。
下着を着けるという長年の習慣が、生活にリズムを生み、気持ちを落ち着かせてくれる効果もあります。
ブラジャーをしない主な理由:苦しさからの解放と、体へのいたわり
一方で、体の変化に合わせてブラジャーを着けないことを選ぶのは、毎日の生活の快適さ(QOL)を上げるための、とても前向きな選択です。
その背景には、こんな理由があります。
- 締め付けが苦しい
肌がデリケートになり、アンダーバストのゴムの締め付けが息苦しさや痛みに感じられるようになります。
特にご飯を食べた後などは、この圧迫感がとても辛く感じられます。 - 着たり脱いだりが大変
- かゆみや肌荒れの原因
下着の素材が肌に合わなかったり、縫い目やタグがこすれたりして、かゆみやかぶれがずっと続いてしまうことがあります。 - ありのままでいる心地よさ
体を締め付けるものから全部解放されて、ゆったりした服だけで過ごす時間は、とてもリラックスできます。
特に家で過ごす時間が長い方にとっては、この快適さが何より大切になります。
ポイント
どんな時でも、本人の「こうしたい」という気持ちが一番大切です。
でも、認知症などで、自分の辛さや不快感をうまく言葉で伝えられない時もあります。
そんな時は、家族や周りの人が「最近、食後に苦しそうかな?」「着替える時に、ちょっと嫌そうな顔をしていないかな?」と、日々の様子を気にかけてあげることが重要です。
「どうすれば一番快適かな?」「どうすれば尊厳を守れるかな?」という視点で、一緒に考えていく姿勢が求められます。
ブラジャーの締め付けは血流に悪い?健康への影響

「ブラジャーで体を締め付けるのって、健康に良くないのかな?」
そんな風に心配になるのは、自然なことです。
特に体がデリケートになっているシニア世代にとっては、合わない下着の圧迫は、ただ「ちょっときつい」で済まない、いろんな健康リスクにつながる可能性があります。
体の巡りへの影響:血流やリンパの流れ
医学的な視点から見ると、ワイヤーやゴムで強く締めつけるブラジャーは、肌の表面の血流を阻害し、リンパの流れにも影響を与える可能性があります。
特に脇下のリンパ節周辺が圧迫されると、老廃物の排出が滞り、むくみや冷え、不快感の原因になることもあります。出典:トリンプ
注意
今のところ、「ブラジャーの締め付けが、がんのような重い病気の直接の原因になる」というはっきりした科学的な証拠はありません。
でも、リンパの流れが悪くなることは、むくみや体の不快感につながる、という点は知られています。
もともと血の巡りなどに心配があるおばあちゃんにとっては、少しでも血行を邪魔するような要素は、避けてあげるのが安心です。
見えない部分への影響:呼吸や消化
締め付けの影響は、体の表面だけではありません。
胸やお腹への圧迫が続くと、内臓の働きにも影響が出ることがあります。
- 呼吸への影響:胸郭を強く締めつけると肺活量が低下し、呼吸が浅くなることが報告されています。出典:Coregallery
年とともに呼吸する力が弱くなっているおばあちゃんの場合、これがちょっと動いた時の息切れや、なんとなく続く疲れの原因になるかもしれません。 - 消化への影響:お腹を強く締めつけると腹圧が上がり、胃酸の逆流を招いて逆流性食道炎の原因になる可能性があります。出典:国立長寿医療研究センター
いつも胸やけがしていると、ご飯もおいしく食べられなくなり、栄養が足りなくなってしまう心配も出てきます。
肌への直接的な影響:デリケートな高齢者の肌
年を重ねた方の皮膚は、乾燥してバリア機能が落ちているため、とてもデリケート。
ポリエステルなどの化学繊維や、ゴワゴワした縫い目、硬い洗濯タグは、まるでヤスリのように肌をこすってしまい、かゆみや赤み、かぶれ(接触皮膚炎)を引き起こすことがあります。
きついゴムの跡がずっと消えなかったり、ひどい時には皮膚を傷つけてしまったりすることもあります。
高齢者がブラジャーを嫌がる・着けたがらない理由

毎日当たり前のように着けていたブラジャーを、おばあちゃんが急に「着たくない」と言い出したら、家族は「どうしちゃったんだろう?」と心配になりますよね。
でも、それは気まぐれやわがままではなく、本人にしか分からない、ちゃんとした理由があるのかもしれません。
その心の声に耳を傾けることが、良いケアにつながる第一歩です。
言葉にできない「イヤ」のサイン:認知症と感覚の変化
認知症の方が服や下着を着ることを嫌がるのは、珍しいことではありません。
これはわざと困らせようとしているのではなく、脳の働きの変化によって本人にとっても辛い行動として表れているのです。
- それが何か分からない(失認・失行)
目の前にあるものが「ブラジャー」だと分からなかったり、どうやって着るのか手順が思い出せなかったりします。
よく分からない物を体に当てられるのは、誰だって怖いですよね。
その恐怖心が「イヤだ」という行動につながります。 - 感覚がとても敏感になる
脳の感覚をキャッチする部分が変化して、今まで平気だった締め付けや、布のチクチクした感じが、ものすごく痛かったり、気持ち悪く感じられたりすることがあります。
「痛い」「苦しい」と上手く言えない代わりに、「イヤ!」と強く体を動かして、その辛さを伝えようとしているのです。 - プライドが傷つけられる気持ち
自分の気持ちとは関係なく、無理やり服を着せられること、特に窮屈に感じる下着を強制されることは、「自分のことは自分で決められない」と感じさせ、プライドを傷つけます。
人に裸を見られて着替えさせられること自体が、怖かったり、恥ずかしかったりする気持ちもあります。
認知症の方の「着たくない」という行動は、ただの反抗ではなく、言葉にできないSOSのサインだと考えてみましょう。
「このゴムがきつすぎる」「この生地、チクチクしてかゆい」という気持ちを、言葉でうまく組み立てられなくても、不快な感覚はちゃんとあります。
この行動を「何か伝えたがっているんだな」と受け止めることで、「もっと柔らかい肌着ならどうかな?」と、一緒に問題解決の方法を探すことができます。
ずっと続くかゆみとの戦い:肌のトラブルとブラジャー
お年寄りの肌は、見た目には分からなくても、トラブルを抱えていることがよくあります。
ブラジャーは、そんな肌トラブルを悪化させる原因になることがあります。
- カサカサ肌のかゆみ(皮脂欠乏性湿疹)
皮脂が少なくなって、肌が乾燥し、とてもかゆくなるのは、お年寄りによくある症状です。出典:ヒフシルワカル
ブラジャーのゴムやストラップがこすれる刺激は、この乾燥した肌に直接ダメージを与え、炎症を起こします。
また、ナイロンなどの化学繊維は汗を吸わないので、蒸れてさらに肌の状態を悪くしてしまいます。 - かぶれやじんましん
ゴムの圧迫が原因で、みみず腫れのようなじんましん(機械性蕁麻疹)が出ることがあります。
また、洗濯で落としきれなかった洗剤や、生地の素材そのものが肌に合わず、アレルギーでかぶれてしまうことも。
ブラジャーで覆われている部分は汗で蒸れやすいので、特にトラブルが起きやすい場所です。
もし、こんな肌トラブルがあるなら、下着の素材選びは好みの問題ではなく、大切な「治療の一環」です。
柔らかくて、縫い目の少ない、綿素材の下着を選ぶことは、肌の健康を守るためにとても重要なことなのです。
介護時にブラジャーが必要かどうかの判断基準
介護をしていると、ご本人の気持ちをはっきりと確認するのが難しい時もありますよね。
そんな時、家族や介護をする人は、客観的な視点で「ブラジャーは必要かな?それとも、ない方が快適かな?」と考える必要があります。
そのためのヒントになるのが、ご本人の心と体の状態をいろんな角度からチェックする「アセスメント」です。
アセスメントとは、専門用語で「その人の体や心の状態を整理して、必要な支援を考えること」を意味します。
毎日のケアの中で使える、具体的なチェックリストを見ていきましょう。
ブラジャー着用チェックリスト
- 本人の気持ち
「着たい/着たくない」という意思や表情が安定していますか? - 理解度
ブラジャーの目的を理解していて、着替え時に特別嫌がる様子はありませんか? - 体の動き
腕の上げ下げやボタン留めなど、必要な動作がスムーズにできますか? - 姿勢の安定
着替え中にふらつかず、安定して座ったり立ったりできますか? - 肌の状態
跡や赤み、かぶれ、湿疹などのトラブルはありませんか? - 生活スタイル
ベッド中心か、外出や活動が多いかによって必要性は変わります。 - サイズの適合
背中のずり上がり、肩ひものずれ、カップの浮きや食い込みはありませんか?
毎日の着替えを手伝う時間は、ただの作業ではありません。
おばあちゃんの健康状態を一番近くでチェックできる、とても貴重な時間なんです。
このチェックリストを頭の片隅に置きながら着替えを手伝うことで、ただの作業が、体の変化に気づくための大切な観察の時間に変わります。
下着がきつすぎることや、肌トラブルの始まり、体の動きの変化などに、ひどくなるずっと前に気づいてあげることができ、それが一番の予防ケアにつながります。
また、着替えを手伝う時には、おばあちゃんの気持ちを大切にする、以下のポイントを守ることが、良い関係を築く上でとても大切です。
- プライバシーを守る
部屋のカーテンやドアを閉めたり、バスタオルで体を覆ったりして、必要以上に肌が見えないように配慮します。 - 次にやることを伝える
「今から右腕を袖に通しますね」「ちょっとだけ体を傾けますよ」と、一つひとつの動きを言葉で伝えることで、びっくりさせたり、不安にさせたりするのを防ぎます。 - 「着患脱健(ちゃっかんだっけん)」のルール
体に麻痺があったり痛みがあったりする側(患側)がある場合は、「着せる時は動きにくい方から先に、脱がせる時は動かしやすい方から先に」というルールを守ると、本人の負担が少なくて済みます。出典:さがしっくす - しわを伸ばす
着替えが終わったら、下着や服にしわが寄っていないか必ず確認して、きれいに伸ばしてあげましょう。小さな服のしわが、床ずれの大きな原因になることもあるからです。
高齢者にブラジャーが必要な場合のおすすめ商品としない場合の代替案

- シニア(70代・80代)向けブラジャーのおすすめ
- しまむらで購入できる高齢者向けブラジャー
- ワコールの年配向けブラジャー
- 前開きブラのメリットと選び方のポイント
- ブラジャーをしない場合の代替案
シニア(70代・80代)向けブラジャーのおすすめ
70代、80代と素敵に年を重ねた女性の体には、若い頃とは違う優しさが必要です。
だから、ブラジャー選びも、これまでの「当たり前」を一度忘れて、「今の自分にとって、本当に気持ちいいのはどれ?」という視点で見直すことが大切。
シニア世代のブラジャー選びで一番大事なキーワードは、「締め付けからの解放」と「着替えやすさ」。
体の変化にそっと寄り添ってくれる、具体的な選び方のポイントを見ていきましょう。
おばあちゃんが「これなら楽ちん」と感じてくれるブラジャーは、だいたい次の5つの条件を満たしています。
お買い物の時のチェックリストとして使ってみてください。
- ワイヤーが入っていない
体をワイヤーで締め付けることなく、圧迫感や食い込む痛みから解放してくれます。
つけていることを忘れるくらいリラックスできるのが一番の魅力です。 - 前で留められるタイプ
腕をぐるっと後ろに回すのが大変な方でも、胸の前で簡単・安全にパチンと留められます。
自分で着替える時も、誰かに手伝ってもらう時も、ずっと楽になります。 - 肌に優しい天然素材(特にコットン)
汗をよく吸って、通気性も良いコットン(綿)は、蒸れや肌への刺激を抑え、デリケートになった肌を優しく守ってくれます。
縫い目が肌に当たらないように工夫されているタイプもおすすめです。 - 肩ひもとアンダー部分が幅広
細いひもが肩に食い込むのを防ぎ、背中や脇のお肉の段差も気になりにくくなります。
「線」ではなく「面」で支えることで、圧力が分散されて、とても安定した着け心地になります。 - 体の動きについてきてくれる、ほどよい伸縮性
立ったり座ったり、ちょっとかがんだり。毎日の何気ない動きを邪魔しない、柔らかく伸び縮みする生地が理想です。
嬉しいことに、最近はこうした条件を満たす製品がぐっと増えてきました。
大手の下着メーカーから、お財布に優しい量販店まで、いろんな選択肢があります。
次の項目からは、具体的なお店や商品のタイプを挙げて、それぞれの特徴をもっと詳しく見ていきましょう。
しまむらで購入できる高齢者向けブラジャー
みんなの味方、「ファッションセンターしまむら」は、シニア世代にとっても、「お財布に優しく」て「毎日の快適さ」が見つかる、とても頼りになるお店です。
特に、しまむらのオリジナルブランド「CLOSSHI(クロッシー)」は、「素肌みたいな着心地」をテーマに、お客さんの声をもとに作られた機能的なインナーがたくさん。おばあちゃんやその家族からも人気を集めています。
しまむらのシニア向けブラジャーの主な特徴
- 快適さを考えた豊富な品揃え
体を締め付けないノンワイヤータイプはもちろん、縫い目をできるだけなくして肌への刺激を減らしたシームレスタイプや、脇の部分を高くして背中のお肉の段差をすっきり見せるブラジャーなど、楽な着け心地を考えた商品がたくさんあります。 - 着替えやすさへの工夫
指の力が弱くなったり、細かい作業が苦手になったりした方でも留めやすいように、普通のホックより大きめのスナップボタンを使った前開きタイプのブラジャーもあり、自分で着替えるのを応援してくれます。 - 素材へのこだわり
肌触りがよくて汗を吸いやすい綿を中心にした素材を使いながらも、夏に嬉しいサラサラ素材や、冬のパチパチ(静電気)を防ぐ機能など、季節や悩みに合わせたプラスアルファの機能を持つ製品も選べます。 - なんといっても、お財布に優しい
一番の魅力は、その価格。多くの商品がお手頃価格で買えるので、洗い替えに何枚かそろえたい時も、気軽に買うことができます。
しまむらでは、いわゆる「ブラジャー」の形のものだけでなく、カップが付いたハーフトップやタンクトップ、キャミソールもたくさん売っています。
お家でのんびり過ごす時や、ブラジャーの締め付けがどうしても苦手という方には、こうしたアイテムが最高の代役になってくれますよ。
しまむらの商品は、「高いものじゃなくていいから、毎日気兼ねなく使える、締め付けのない楽な下着が欲しい」という、多くのシニアと家族の正直な気持ちに、一番ぴったり寄り添ってくれる選択肢の一つです。
ワコールの年配向けブラジャー
日本の有名な下着メーカー「ワコール」は、ただおしゃれなだけでなく、長年の科学的な研究に基づいて、女性の体をしっかりサポートする製品を作り続けています。
特に、年を重ねて体つきが変わってきたシニア世代のために作られたブランドが「グラッピー」です。
「年を重ねるって、ハッピーなこと」という素敵なコンセプトの通り、年齢を前向きに楽しむための、高機能で快適なインナーを提案しています。
ワコール「グラッピー」のすごい特徴
- 体の変化に合わせた科学的な設計
ワコールには「人間科学研究所」という専門の研究施設があり、何万人もの女性の体型データを何十年もかけて集めています。
そのデータを基に、シニア世代に特有の体の変化(例えば、背中が丸くなることや、バストの位置が変わること)にぴったり合うように、特別な型紙から設計されています。
無理に締め付けて形を変えるのではなく、変化した体に自然にフィットして、楽なのにきれいなシルエットに見せてくれるのが特徴です。出典:ワコール - こだわりの上質な素材
デリケートで乾燥しがちなシニアの肌を優しく包むため、肌触りと快適さにすごくこだわった特別な素材(例えば、とても質の良い綿を使った「クイーンズコットン」など)が使われています。 - 快適さをアップする細かい工夫
肩への負担を減らすための幅が広いストラップや、苦しくないのに安定感があるように作られたアンダーベルト、背中や脇の段差ができにくいカットの仕方など、細かい部分にまで「楽で気持ちいい」ための工夫がいっぱいです。 - 着替えやすいデザイン
留めやすくて、外しやすいように工夫された前開きタイプも、いろんなデザインでそろっていて、とても人気があります。
ワコールの商品は、しまむらの商品と比べると、お値段は高めです。
でも、その価格には、長年の研究に基づいたフィット感、上質な素材ならではの快適さ、そして「今の私の体に合っている」という大きな安心感が含まれています。
私の母も70代ですが、ずっとワコールのノンワイヤーブラを愛用しています。
「値段よりも、自分の体の変化にちゃんと合う、質の高い快適さと安心感を一番に考えたい」という方にとっては、毎日の生活をぐっと快適にしてくれる、価値のある投資になるでしょう。
「まるで自分のために作ってもらったみたい」という声も聞かれるほど、多くのシニア女性から信頼されています。
ポイント | しまむら (CLOSSHI) | ワコール (グラッピー) |
---|---|---|
コンセプト | 毎日の生活に寄り添う、手頃な快適さ | 年齢を重ねた体のための、科学的なデザイン |
特徴 | 大きめボタン、脇高、縫い目なし、お財布に優しい | 特別な型紙、高品質な素材、圧迫感を減らす工夫 |
価格帯の目安 | 1,000円~2,500円 | 6,000円~8,000円 |
こんな方におすすめ | 予算を抑えて、普段着として楽な下着が欲しい方 | 背中の丸みなど、体の変化に合う質の高い快適さを求める方 |
前開きブラのメリットと選び方のポイント
前開きブラは、腕を後ろに回してホックを留める、という動作が難しくなったおばあちゃんにとって、救世主のようなアイテムです。
このちょっとした工夫が、毎日の着替えをぐっと楽にし、本人の「自分でできる」という自信と、介護する家族の負担を軽くしてくれます。
具体的なメリットと、買う時に失敗しないための大事な選び方のポイントを、分かりやすく解説します。
前開きブラが嬉しい4つのメリット
- とにかく着たり脱いだりが楽!
一番のメリットは、自分の目の前でボタンやホックを留められること。
肩や腕が痛い方、四十肩や五十肩で腕が上がりにくい方でも、無理な体勢をしなくても、自分で簡単・安全に着替えができます。 - 介護の負担がぐっと減る
誰かに手伝ってもらう時も、寝たままや座ったままで、正面から楽に着せることができます。
介護する人が無理な姿勢で腕を背中に回す必要がなくなるので、お互いにとって体の負担が減ります。 - 背中がゴロゴロしない
背中側にホックや金具がないので、すっきりしていて快適です。
椅子やソファにもたれたり、ベッドで横になったりする時も、金具が当たって痛いということがありません。 - 病院での診察の時も便利
一番大事!本人に合った「留め具」の選び方
前開きブラと一言で言っても、その「留め具」にはいくつか種類があります。
その便利さを最大限に活かすためには、おばあちゃんの指の力や、器用さに合った留め具を選ぶことが、何よりも大切なポイントです。
留め具の種類 | 特徴とメリット | デメリット・注意点 | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|
大きめのスナップボタン | 指でつまむより、手のひらなどで「押す」力で留められます。 「パチン」という音と感触で、ちゃんと留まったことが分かりやすいです。 | 留める時に、ある程度の力が必要です。 普通のボタンより、何かに引っかかると外れやすいことも。 | 細かい「つまむ」動きは苦手だけど、物を「押す」力はまだある方。 |
面ファスナー(マジックテープ) | ほとんど力がいらず、ペタッと合わせるだけで着けられます。 着替えがとても簡単なのが魅力です。 | 洗濯の時に、他の服にくっついたり、ホコリが付いてくっつきにくくなったりします。 肌に硬い部分が当たるとチクチク感じることも。 | 手の震えがあったり、筋力がすごく落ちていたりする方。介助する人が素早く着替えさせたい時。 |
マグネットホック | 左右を近づけるだけで、磁石の力でカチッと自然に留まります。 全く力がいらないので、一番操作が簡単です。 | 心臓ペースメーカーなどの医療機器に影響することがあるので、使う前に必ずお医者さんに確認が必要です。 お値段は少し高めなことが多いです。 | 病気の後遺症で片手しか使えない方。筋力が極端に落ちている方。他の留め具の使い方が分からなくなってしまった方。 |
マグネットホックはとても便利ですが、その磁石の力が心臓ペースメーカーなどの、体の中に植え込むタイプの医療機器の動きに影響してしまう可能性があります。
もし、おばあちゃんや家族がこれらの機器を使っている場合は、「便利そうだから」と自己判断で絶対に買わず、買う前に必ずかかりつけのお医者さんに相談して、使っても大丈夫か確認してください。
ブラジャーをしない場合の代替案

いろんな理由から、多くの高齢女性にとって、一番気持ちいい選択は「ブラジャーを着けない」ことです。
体を締め付けるものから解放されるのは、とても心地よいですよね。
でも、それでも「薄い服だと胸のあたりが気になるな」「汗で肌がベタベタするのが嫌だな」といった、ちょっとした悩みは残るもの。
ここでは、ブラジャーの窮屈さなしに、そんな悩みを優しく解決してくれる、いろんな快適なアイデアを紹介します。
一番手軽な選択肢:カップ付きインナー(キャミソール・タンクトップ)
ブラジャーの代わりとして、一番ポピュラーで試しやすいのが、カップが付いた肌着です。
ブラと肌着が一つになっているので、着るものが一枚で済み、着替えも楽ちん。選ぶ時には、下のポイントに注目すると、もっとリラックスして着られますよ。
- アンダーゴムをチェック
締め付けが苦手な方は、アンダー部分のゴムがゆるいものや、そもそもゴムが背中側にはなくて、前と脇だけで胸を支える「背面ゴムなし」のタイプを選ぶと、圧迫感がぐっと減って楽になります。 - カップの形と素材
カップ自体が硬すぎず、胸の形に自然にフィットするような柔らかいものや、カップを取り外せるタイプだと、その日の体調に合わせて調整できて便利です。
もっと快適さを求める人のための、いろんなアイデア
カップ付きインナーの締め付けさえも気になる方や、もっとピンポイントで悩みを解決したい場合には、他にもたくさんの選択肢があります。
代替案 | 主な役割 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|---|
貼り付けパッド(ニップレスなど) | 胸の先の透けをピンポイントで防ぐ | 下着の線が服に響かず、薄手の服でも安心。とても身軽です。 | シールの粘着剤が、デリケートな高齢者の肌には刺激になることも。 肌に優しいタイプを選び、長時間貼りっぱなしにするのは避けましょう。 |
縫い付け/ポケット付きの胸当てパッド | 透け防止、軽い形作り、汗の吸収 | 圧迫感や締め付けは完全にゼロ。 一度用意すれば、あとは普通の肌着として着るだけなので楽ちん。 | お気に入りの肌着やパジャマに、自分でパッドを縫い付ける手間がかかります。 |
腹巻やさらし | 軽いフィット感による安心感、保温 | 柔らかい綿素材なら肌に優しく、お腹から胸元の冷え対策にもなります。 ほどよいフィット感が気持ちいいと感じる方も。 | きつく巻きすぎると苦しくなるので、優しく「覆う」くらいがコツ。 夏は少し暑く感じるかもしれません。 |
「縫い付けパッド」は、おばあちゃんの快適な毎日のために、ぜひ試してほしい素晴らしいアイデアです。やり方は簡単。
お気に入りのキャミソールや肌着、パジャマの胸のあたりに、市販の柔らかいパッド(ブラジャー用の替えパッドなどでOK)を、何か所か糸で留めて縫い付けるだけ。
たったこれだけで、肩ひもやアンダーゴムといった不快感の原因から完全に解放されながら、透け防止や汗対策といった最低限の悩みはしっかり解決できます。
介護用の服の中には、こうしたパッドを後から入れられるポケットが付いているものもあるので、探してみるのもいいですね。
高齢者にブラジャーは必要?判断基準としない場合の代替案まで徹底解説まとめ
- おばあちゃんのブラジャーは、本人の気持ちと快適さを一番に考えて決めるのが大事
- 70代と80代以降では体の形や筋力が変わり、ブラに求めるものも変化する
- ブラを着ける理由は清潔さや身だしなみ、着けない理由は締め付けの苦しさや着替えの大変さ
- きついブラは血の巡りや呼吸、消化に影響することがあるので注意が必要
- ブラを嫌がるのは、認知症による感覚の変化や、肌トラブルが原因かもしれない
- 介護の時は、肌に赤みや跡がついていないか、毎日チェックしてあげよう
- 着替えを手伝う時は、プライバシーを守り、「着患脱健」のルールで優しく介助する
- シニア向けブラは「ワイヤーなし」「前開き」「コットン素材」が基本の選び方
- しまむらには、安くて普段使いにぴったりの楽なインナーがたくさんある
- ワコールの「グラッピー」は、体の変化に合わせて作られた高機能な設計が魅力
- 前開きブラはとても便利だけど、指の力に合った留め具を選ぶことが大切
- マグネットホックは、ペースメーカーを使っている場合は必ずお医者さんに相談を
- ブラをしないなら、カップ付きインナーが手軽。背中にゴムがないタイプはもっと楽
- ニップレスや、肌着にパッドを縫い付ける方法も、快適なアイデア
- 最終的なゴールは、ブラを着けても着けなくても、本人が健康で快適に、自分らしくいられること