70代の海外旅行でおすすめの国はどこなのか、費用は一体いくらかかるのか。
知恵袋などを見ると、海外旅行保険は本当に必要なのか、という切実な質問も多く見受けられます。特に、高血圧や糖尿病などの持病や既往症があると、保険の申し込み方法や補償内容の一覧を見ても複雑で、どの保険会社を選べば良いのか途方に暮れてしまうこともありますよね。
色々考えているうちに、「もう海外旅行はあきらめようかな…」と気持ちが傾いてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、そんな70代以上の海外旅行に関するあらゆる不安や疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
安心して最高の旅を実現するための具体的な方法を、旅先の選定から入念な準備、そして現地での過ごし方まで、私の経験も交えながら徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が「これなら行ける!」という確かな自信に変わっているはずです。
70代海外旅行おすすめの旅先ベスト5
- 台湾|3時間で行ける親日国で美食と温泉を満喫
- ハワイ|日本語が通じる定番リゾートで安心の滞在
- 韓国|最短2時間で行ける身近な海外で文化体験
- シンガポール|治安抜群でバリアフリー完備の先進都市
- クルーズ旅行|移動の負担なしで複数国を優雅に巡る
旅先 | フライト時間 | 日本語医療 | 総合おすすめ度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
🇹🇼 台湾 | 約3時間 | |||
🌺 ハワイ | 約7時間 | |||
🇰🇷 韓国 | 約2時間 | |||
🇸🇬 シンガポール | 約7時間 | |||
🚢 クルーズ旅行 | 日本発着 |
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台湾|3時間で行ける親日国で美食と温泉を満喫
フライト時間が短く、治安も食も安心な台湾は、体力に自信がない方でも心から楽しめる、まさに70代海外旅行の入門編に最適な場所です。

70代からの海外旅行で、どこに行こうか迷ったら、まず一番におすすめしたいのが台湾です。
その理由は、何と言っても日本からの圧倒的な近さと、親日国ならではの安心感にあります。
東京から飛行機で約3時間半、福岡からなら約2時間半という短時間で到着するため、長時間のフライトによる身体への負担を最小限に抑えることができます。
これは、エコノミークラス症候群などのリスクを考えると、とても大きなメリットと言えますね。
また、台湾は世界的に見ても非常に治安が良く、人々は驚くほど親日的です。
街を歩けば、至る所で日本語の案内や看板を目にし、レストランのメニューにも日本語が併記されていることが少なくありません。
言葉が通じないかもしれないという海外旅行特有の不安が、台湾では驚くほど少ないのです。
私の母も海外旅行で台湾に行きましたが、出発前はあれこれ不安でいっぱいだったのに、現地の人の温かさや街の雰囲気に触れ、すごく楽しんでいました。
体力に優しいおすすめ観光スポット
台北には魅力的な観光地が数多くありますが、ここでは特に70代の方が無理なく楽しめる、文化的な価値が高く、かつ体力的な負担が少ない3つのスポットを厳選してご紹介します。
移動のしやすさや休憩場所の有無といった、シニア世代にとって重要な情報も詳しく解説します。
国立故宮博物院
世界四大博物館の一つに数えられ、中国歴代皇帝が集めた約70万点もの至宝が収蔵されている、まさに文化の殿堂です。
有名な「翠玉白菜」や「肉形石」は、その精巧さに思わず息をのむほどの美しさ。
館内は広大ですが、冷暖房が完備された快適な環境で、自分のペースでゆっくりと鑑賞できるのが嬉しいポイントです。
市内中心部からは少し距離があるため、MRT(地下鉄)淡水信義線の「士林駅」で下車し、そこからタクシーを利用するのが最も簡単で快適な移動方法です。
館内はバリアフリー設計が徹底されており、車椅子の無料貸し出しサービスも利用できます。出典:国立故宮博物院
国立中正紀念堂
白亜の壮大な建築が青空に映える、台湾の近代史を象徴するランドマークです。
MRT淡水信義線または松山新店線の「中正紀念堂駅」で下車すると、出口からすぐという抜群のアクセスを誇ります。
広大な敷地は美しい公園として整備されており、手入れの行き届いた庭園を散策するだけでも心地よい時間を過ごせます。
毎時0分に行われる衛兵交代式は、一糸乱れぬ動きが見ごたえ十分。多くの観光客で混雑しますが、少し離れた場所からでも見学は可能ですし、座って休憩できるベンチも随所に用意されています。
ここは台北市の公式観光サイトでも「バリアフリーおすすめスポット」として紹介されるほど設備が充実しています。出典:台北旅遊網
龍山寺
1738年に創建された、台北で最も歴史のある寺院です。MRT板南線の「龍山寺駅」から徒歩約5分とアクセスも良好。
境内はそれほど広くなく、地面も平坦なため、体力的な負担なくゆっくりと見て回ることが可能です。
屋根や柱に施された極彩色の龍や鳳凰の精緻な彫刻は、台湾の職人技の結晶であり、一見の価値があります。
地元の人々の熱心な信仰心に触れることで、台湾の文化を肌で感じることができます。
万一の時も安心の日本語対応医療機関
海外旅行で最も心配なのが、旅先での急な体調不良や怪我ではないでしょうか。
その点、台北には日本語で質の高い医療を受けられる病院が複数あり、万全の体制が整っています。
例えば、100年以上の歴史を持つキリスト教系の総合病院である馬偕紀念醫院(マッカイきねんびょういん)や、台湾大学医学部の附属病院として台湾の医療を牽引する國立臺灣大學醫學院附設醫院(通称:台大醫院)には、国際医療センターが設置されており、日本語対応可能なスタッフが在籍しています。
どちらも24時間体制で緊急患者を受け入れているため、夜間の急な体調変化にも対応可能です。出典:台北ナビ
また、比較的軽度な風邪や腹痛といった症状であれば、より気軽に相談できる日系のクリニックも心強い存在です。
台北日本クリニックでは、なんとLINEを通じて24時間、日本語での医療相談を受け付けています。
夜中に少し体調が悪くなって不安になった時など、すぐに日本語で専門家に相談できるのは、旅行者にとって非常に大きな安心につながります。出典:台北日本クリニック
ポイント
- 台北へのフライトは、台北松山空港(TSA)と台湾桃園国際空港(TPE)の2つがありますが、70代の旅行者には断然、台北松山空港の利用をおすすめします。
- 台北松山空港は台北市内に位置しており、着陸後の市内中心部への移動がタクシーやMRTで非常に短時間で済みます。
- 一方、台湾桃園国際空港は便数が豊富ですが、市内まで約40分から1時間程度の移動が必要です。
- この移動時間の差が、初日の体力の消耗度に大きく影響します。特に羽田空港から台北松山空港へ向かう直行便は、体力的な負担を最も軽減できます。
ハワイ|日本語が通じる定番リゾートで安心の滞在
言葉の壁や万が一の心配がほぼゼロのハワイは、海外旅行の不安を忘れて、心からリラクゼーションを楽しめます。

「海外旅行といえばハワイ」と思い浮かべる方は、世代を問わず多いのではないでしょうか。
特に70代の方にとって、ハワイが長年にわたり絶大な人気を誇るのには、明確な理由があります。
それは、美しいビーチや温暖な気候といった魅力はもちろんのこと、世界屈指の充実した日本人向けサービスによる、圧倒的な安心感です。
ホノルルの空港に降り立った瞬間から、日本語の案内が目に入り、ホテルやレストラン、ショッピングセンターでは、ごく自然に日本語で話しかけられることも珍しくありません。
私の両親も、初めての海外旅行で感じた緊張が、ホノルル空港の入国審査で日本語を話せるスタッフににこやかに迎えられたことで、一気に解けたと話していました。
万が一の時も日本語で医療サービスを受けられるという事実は、何物にも代えがたい心の支えになります。
このような盤石のサポート体制があるからこそ、アクティブに動き回るだけでなく、「何もしない贅沢」を心から楽しめる場所、それがハワイなのです。
歩く距離が少ないおすすめ観光スポット
ワイキキ周辺には、体力的な負担が少なく、ハワイの自然や文化にゆったりと触れられる魅力的なスポットが揃っています。
ここでは、特に歩く距離を最小限に抑えながら楽しめる場所を3つご紹介します。
ホノルル動物園
ワイキキビーチの東端、カピオラニ公園内に位置し、主要なホテルから徒歩圏内というアクセスの良さが魅力です。
園内は広々としていますが、通路は平坦に舗装されており、急な坂道もほとんどありません。
世界中の珍しい動物たちをのんびりと眺める時間は、心和む豊かな体験になるでしょう。
長時間の歩行に不安がある方のために、入口近くのお土産店では電動シニアカーや車椅子のレンタルサービスも提供されています(有料)。
ハワイの日差しは強いため、帽子や日焼け止め、こまめな水分補給は忘れないようにしましょう。出典:Honolulu Zoo
ワイキキ水族館
ホノルル動物園から少し足を延ばした場所にあり、ハワイ諸島固有の美しい海洋生物を中心に展示しています。
その規模は日本の大規模な水族館に比べるとコンパクトで、1時間程度で無理なく見て回ることができます。
絶滅危惧種であるハワイアンモンクシールや、色鮮やかな熱帯魚が泳ぐ姿は、時間を忘れて見入ってしまうほど。
屋内施設が中心のため、日差しが強い日や、急なスコールの際にも天候を気にせず楽しめるのが大きな利点です。65歳以上のシニア割引があるのも嬉しいポイントです。
ドール・プランテーション
オアフ島中央部に位置する、パイナップルの歴史と文化に触れられるハワイらしいテーマパークです。
広大な敷地にはパイナップル畑が広がり、その中を走るレトロな列車「パイナップル・エクスプレス・トレイン」に乗車すれば、歩くことなく農園の風景を満喫できます。
世界的に有名なパイナップルソフトクリームは、旅の思い出に残る味となるでしょう。
ワイキキからは車で約40~50分かかりますが、公共交通機関でのアクセスは複雑なため、オプショナルツアーに参加するか、後述する貸切チャーターを利用するのが最も便利で快適です。
世界一安心な日本語医療サービス
ホノルル、特に日本人観光客が集中するワイキキ周辺は、世界で最も日本語医療サービスが充実している地域と言っても過言ではありません。
この「医療の安心」こそが、ハワイがシニア世代に選ばれる最大の理由の一つです。
日本人医師や日本語を流暢に話すスタッフが常駐するクリニックが、ワイキキ中心部の主要なホテルやショッピングセンター内に多数点在しています。
これらのクリニックの多くは、日本の主要な海外旅行保険会社と提携しており、キャッシュレス・メディカルサービスに対応しています。
これは、診察時に現金やクレジットカードで支払いをする必要がなく、保険証券を提示するだけで受診できる非常に便利なシステムです。
例えば、ワイキキ・ショッピングプラザ内にあり20年以上の豊富な実績を持つ聖ルカクリニックや、バンク・オブ・ハワイ・ビルにあり予約なしで受診できるワイキキ緊急医療クリニックなど、信頼できる医療機関がすぐ近くにあるという事実は、大きな安心材料になります。出典:St. Luke's Clinic
ポイント
- ハワイでの観光は、自分たちのペースで自由に行程を組める「貸切チャーター」が断然おすすめです。
- 日本語を話す経験豊富なガイドが運転する専用車を時間単位で貸し切り、自分たちだけのオリジナルツアーを作成できます。
公共交通機関ではアクセスしにくい「タンタラスの丘」からの夜景鑑賞や、オアフ島北部の「ノースショア」へのドライブなども、ドアツードアの快適な移動で楽しめます。 - 周囲に気兼ねすることなく、疲れたら車内で休憩したり、気に入ったカフェで長く滞在したりと、自由で快適な旅になります。
韓国|最短2時間で行ける身近な海外で文化体験
日本から最も近い海外である韓国は、思い立ったらすぐ行ける手軽さと、歴史や文化に気軽に触れられるのが大きな魅力です。

「海外旅行に行きたいけれど、長期フライトは嫌だし、体力も心配…」そんな方に、ぜひおすすめしたいのがお隣の国、韓国です。
福岡からなら飛行機で約1時間半、東京からでも約2時間半という驚きの近さ。
ちょっとした国内旅行と変わらない感覚で、気軽に異文化体験ができるのが最大の魅力です。
このフライト時間の短さは、移動による身体への負担を大きく軽減してくれます。
活気あふれるショッピングや、キムチや焼肉といった美味しいグルメのイメージが強い韓国ですが、実は豊かな歴史を感じさせる名所も数多く存在します。
特に首都ソウルでは、近年、景福宮(キョンボックン)などの歴史的な観光地や公共交通機関のバリアフリー化が目覚ましく進んでおり、70代の方でも快適に街を散策することが可能になっています。
あと地下鉄のエレベーターが想像以上に整備されていて、ほとんど階段を使わずに移動できる点も嬉しいポイントです。
階段が少なく楽しめるおすすめ観光地
ソウルの数ある名所の中から、歴史的価値が高く、かつ階段などのアップダウンが少なく、70代の方が無理なく見学できるスポットを3つ選びました。
景福宮(キョンボックン)
1395年に創建された、朝鮮王朝第一の王宮であり、ソウルの五大王宮の中でも最大の規模と建築美を誇ります。
広大な敷地ですが、主要な見学ルートは平坦に舗装・整備されており、車椅子での移動も問題ありません。
正門である光化門(クァンファムン)の近くにある案内所では、無料の車椅子貸与サービスも提供されています。
毎時定刻に、色鮮やかな伝統衣装をまとった衛兵たちによって行われる「王宮守門将交代儀式」は、まるで時代劇のワンシーンのようで、必見の価値があります。出典:ソウル市観光公式サイト
昌徳宮(チャンドックン)
景福宮の離宮として創建され、自然の地形を巧みに活かした配置の美しさから、1997年にユネスコ世界文化遺産に登録された宮殿です。
特に、宮殿の裏手に広がる庭園「後苑(フウォン)」は、四季折々の自然と人工の建築物が見事に調和した景観で知られています。
敷地内にはバリアフリートイレや車椅子レンタルサービスも完備されており、基本的なアクセシビリティは確保されています。
後苑は自然の地形を活かしているため、一部に坂道や起伏がありますが、宮殿の主要な建築群を中心に鑑賞するだけでも、その歴史と美しさを十分に感じ取ることができます。
Nソウルタワー
ソウルの中心に位置する南山(ナムサン)の頂上にそびえ立つ、街のランドマークです。
タワーの展望台からは、ソウル市内を360度一望でき、そのパノラマビューは昼夜を問わず圧巻です。
山頂まではケーブルカーで楽にアクセスできるため、登山のような体力的な負担は一切ありません。
麓にあるケーブルカー乗り場までタクシーで移動し、そこからケーブルカーで山頂へ向かうのが最も楽で推奨されるルートです。
旅の不安を解消するテクノロジーとサポート
ソウルでの滞在をより快適で安心なものにするための、心強いサポート体制と便利なツールをご紹介します。
まず、旅先で体調に不安を感じた際に、絶対に覚えておきたいのが「119ソウル健康コールセンター」です。
これは非常に優れたサービスで、韓国国内から局番なしの「119」に電話をかけ、オペレーターに「ジャパニーズプリーズ」と伝えるだけで、日本語通訳を介して24時間365日、医療相談や最寄りの日本語対応可能な病院・薬局の紹介を受けることができます。
このサービスがあるというだけで、心の負担が全く違いますよね。出典:外務省
また、非常に発達しているソウルの地下鉄を完璧に乗りこなすために、2つのスマートフォンのアプリを事前にダウンロードしておくことをおすすめします。
おすすめアプリ
- Subway Korea:
日本語に完全対応した、韓国の地下鉄利用における「必須アプリ」です。
出発駅と到着駅をタップするだけで、最適なルート、所要時間、料金を瞬時に表示します。
乗り換え時に最も移動距離が短くなる乗車位置(例:「5号車の3番ドア」)や、降車時に開くドアの向き(右側か左側か)まで詳細に案内してくれるのも安心ポイントです。 - ソウル同行マップ (Seoul Donghaeng Map):
2024年4月にソウル市が正式にサービスを開始した、交通弱者のために開発された新しい地図アプリです。
このアプリの最大の強みは、地下鉄駅構内のエレベーターの正確な位置を検索できる機能。
これにより、乗り換え時や地上に出る際に、どのエレベーターを使えば最もスムーズに移動できるかを事前に把握できます。
シンガポール|治安抜群でバリアフリー完備の先進都市
清潔で安全な街全体が、まるで一つのテーマパークのように設計されているシンガポールは、移動のストレスがほぼゼロで、体力に自信がない方でも安心して楽しめる理想的な旅行先です。

「海外旅行は楽しみたいけれど、衛生面や治安が心配…」そんな方に、おすすめできるのがシンガポールです。
徹底した都市計画によって生み出された清潔で安全な街並みと、世界最高水準のバリアフリー設計は、他のどの国とも一線を画す快適さをもたらしてくれます。
街を歩いていると、ゴミが一つも落ちていないことに驚かされるでしょう。
移動のストレスが極めて少ないため、観光や食事、ショッピングといった旅本来の楽しみに集中できます。
ユニバーサルデザイン採用の未来の観光スポット
シンガポールの象徴的な観光地は、その多くが近年建設されたものであり、設計段階から年齢や身体的な条件に関わらず誰もが楽しめる「ユニバーサルデザイン」が採用されています。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
マリーナ・ベイに隣接する、巨大な近未来型植物園です。
園内のシンボルである「スーパーツリーグローブ」や、巨大なガラスドーム「フラワードーム」「クラウド・フォレスト」は、シンガポールを訪れたなら絶対に外せないスポットです。
特に2つのドーム内は、熱帯の屋外の蒸し暑さとは別世界の涼しく快適な空間。世界中から集められた珍しい植物や、壮大な人工の滝をゆっくりと鑑賞できます。
園内の通路は広く平坦で、エレベーターやスロープが随所に完備されているため、車椅子や歩行に不安がある方でも全く支障なく楽しめます。出典:Gardens by the Bay
マリーナベイ・サンズ スカイパーク展望デッキ
地上57階、高さ200mに位置する展望デッキからは、シンガポールの摩天楼、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、そしてマラッカ海峡に浮かぶ無数の船舶まで、息をのむような360度のパノラマビューが広がります。
ホテルに宿泊していなくても、展望デッキのみの入場券を購入して利用することが可能です。
施設全体が公式サイトで「バリアフリー対応」と明言している通り、非常に高い水準のアクセシビリティを誇ります。
地上のチケットカウンターから展望デッキまでは高速エレベーターで直結しており、展望デッキ自体も完全に平坦で広々としています。
MRT(地下鉄)
シンガポールの公共交通機関の中核であるMRTは、そのアクセシビリティにおいて世界最高水準と言えるでしょう。
全ての駅にエレベーターが完備されており、地上からホームまで段差なく移動できます。
改札には必ず幅の広い車椅子用ゲートが設置されています。さらに驚くべきは、車両とホームの隙間や段差がほとんどないように設計されており、介助者がいなくても車椅子でスムーズに乗り降りが可能な点です。
また、全ての駅のホームに天井まであるタイプのホームドアが設置されており、転落事故の心配もありません。
充実した日本語医療サービス
シンガポールには多くの日本人駐在員とその家族が生活しているため、日本語で質の高い医療を提供する日系のクリニックが充実しています。
万が一の時も、言葉の心配なく日本の病院にかかるのと同様の安心感が得られます。
伝統的な安心感と総合的な医療体制を求めるなら、シンガポールでトップクラスの私立総合病院「ラッフルズ・ホスピタル」内に併設されているラッフルズ・ジャパニーズクリニックがおすすめです。
日本人医師、看護師、そして医療通訳を含むスタッフが常駐しており、総合診療から各種専門科まで幅広く対応しています。病院本体とのシームレスな連携により、精密検査や入院が必要になった場合も非常にスムーズです。出典:ラッフルズジャパニーズクリニック
一方、時間や場所を選ばない利便性を求めるなら、現代のニーズに応えることびあクリニックが非常に便利です。
最大の特徴は、365日年中無休で、夜22時までのオンライン診療にも対応している点です。
また、コミュニケーションツールとしてLINEを活用し、24時間日本語での問い合わせに対応しています。
急な体調不良や夜間の不安な時に、すぐに日本語で専門家と繋がれるのは大きな安心材料です。こちらも日本の海外旅行保険のキャッシュレス対応が可能です。出典:ことびあクリニック
注意
- シンガポールの発展の歴史を川から眺める「シンガポール・リバークルーズ」は人気の観光アクティビティですが、バリアフリー対応については注意が必要です。
- いくつかの体験談によると、クラーク・キーの乗船場までは段差なくアクセスできるものの、ボートに乗り移る際に数段の段差があるとのこと。
車椅子での利用を検討している場合は、現地でのトラブルを避けるためにも、事前にクルーズ会社へ直接電話やメールで問い合わせ、乗船の可否や介助スタッフの有無、段差の具体的な状況などを詳細に確認することが不可欠です。
クルーズ旅行|移動の負担なしで複数国を優雅に巡る
毎日の荷造りや移動の心配から解放されるクルーズ旅行は、体力的な負担を最小限に抑えたい70代にとって、究極に快適で贅沢な旅のスタイルです。

「たくさんの国を巡ってみたいけれど、スーツケースを持っての移動や、毎日のホテル探しはもう大変…」
そう感じている方に、ぜひ検討いただきたいのがクルーズ旅行です。
一度乗船してしまえば、そこはもう海に浮かぶ豪華な「動くホテル」。
美味しい食事も、楽しいエンターテイメントも、そして快適な寝室も、すべてが船の中に揃っています。
朝目覚めると、次の新しい寄港地に到着しているという、まるで魔法のような体験ができるのです。
この、移動のストレスがゼロという点は、70代の旅行者にとって何物にも代えがたい大きな魅力ですね。
近年は横浜や神戸、那覇など、日本各地の港から出発するクルーズも非常に増えており、海外旅行がより身近なものになっています。
私の友人も70代のご両親を連れて初めてクルーズに参加しましたが、「あんなに楽な旅行は初めてだ」と、ご両親が大変喜んでいたと話していました。
特に、船内では様々なイベントや教室が開かれているため、寄港地観光だけでなく、船上で過ごす時間そのものが大きな楽しみになるのも、クルーズならではの魅力です。
70代におすすめのクルーズ会社
日本発着クルーズを運航している会社はいくつかありますが、ここでは特にシニア世代から人気が高く、サービスに定評のある代表的な3社を紹介します。
どの船を選ぶかで旅の雰囲気が大きく変わるため、ご自身の好みに合わせて選んでみてください。
プリンセス・クルーズ
「プレミアムクラス」に位置づけられ、カジュアルすぎず、フォーマルすぎない、落ち着いた上質な雰囲気が魅力です。
日本発着クルーズに主に就航している「ダイヤモンド・プリンセス」には、日本人乗客のために特別に設置された展望大浴場「泉の湯」があり、旅の疲れを大きなお風呂で癒せると、シニア層から絶大な支持を得ています。
船内新聞やレストランのメニューも日本語に対応し、日本語を話すスタッフも多く乗船しているため、海外の船でありながら日本的な安心感の中で過ごせます。
外国船に少し不安を感じる方には、最適な選択肢と言えるでしょう。出典:プリンセス・クルーズ
MSCクルーズ
イタリアに本社を置く、世界最大級のカジュアルなクルーズ会社です。
日本発着には、外国客船としては過去最大級となる「MSCベリッシマ」を投入しています。
この船は新しく、きらびやかな内装や最新のエンターテイメント施設が特徴です。
船内中央のプロムナードは、天井全体が巨大なLEDスクリーンになっており、圧巻の映像ショーが楽しめます。
家族連れや若者にも人気ですが、船内には静かに過ごせるバーやラウンジも多く、あらゆる世代が楽しめるよう工夫されています。出典:MSCクルーズ
ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
世界最大級の客船を多数保有し、船内のアクティビティの豊富さで知られる会社です。
ロッククライミングや洋上サーフィンなどアクティブな施設が有名ですが、70代の方にとっての最大のメリットは、船体が巨大であることによる航海の安定性です。
一般的に、船は大きければ大きいほど波の影響を受けにくく、揺れをほとんど感じることがありません。
船酔いが心配な方にとって、この「揺れない」という安心感は、他の何よりも重要なポイントになるかもしれません。出典:ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
料金の目安と含まれるもの
クルーズ料金は、客室のカテゴリー(内側、海側、バルコニー、スイート)、旅行する時期、そして予約するタイミングによって大きく変動します。
一般的に、1週間から10日間程度の日本発着クルーズにおける、1人あたり(2名1室利用時)の料金の目安は以下の通りです。
1週間〜10日間クルーズ(1人あたり・2名1室利用時)
- 乗船料・客室代
- 基本的な食事(朝昼夕)
- メインダイニング利用
- ビュッフェレストラン
- 船内エンターテイメント
- プール・ジム利用
- 寄港地ツアー代
- アルコール飲料
- 有料レストラン
- クルーへのチップ
- スパ・美容院
- 港湾税
これらの料金には通常、乗船料、客室代、船内の基本的な食事(メインダイニングでのコース料理、ビュッフェレストラン)、多くの船内エンターテイメント(ショー、プールなど)や施設の利用料が含まれています。
ただし、寄港地でのオプショナルツアー代、アルコール飲料や一部のソフトドリンク、スペシャリティ・レストラン(有料の専門レストラン)、カジノ、スパでの施術、そしてクルーへのチップ(船内チップ)や港湾税などは別途必要になるのが一般的ですので、注意が必要です。
【最重要】医療体制と乗船制限について
クルーズ旅行を検討する上で、最も重要な確認事項が医療体制です。
全てのクルーズ船には、有資格の医師と看護師が乗船しており、緊急時には24時間体制で対応可能な医務室(メディカル・センター)が設置されています。
しかし、その設備は陸上の総合病院と同等ではありません。
特に、血液透析(人工透析)を必要とする方は、船内では透析治療を受けることができません。
これは、船内に腎臓専門医や透析を行うための専門設備がないためです。
ただし、予約時に申告し、所定の申請書やリスク承諾書を提出することで、乗船自体は可能な場合があります。出典:プリンセス・クルーズ
腹膜透析(CAPD)についても同様に、予約時に必ず船会社に申告し、事前の許可を得ることが必要です。
持病がある方や酸素ボンベなどの医療機器の持ち込みが必要な方も、予約時に必ずクルーズ会社へ申告することが不可欠です。
また、船内での医療サービスはすべて有料で高額になるため、治療・救援費用が無制限の海外旅行保険への加入を検討してください。
70代海外旅行おすすめの準備と注意点
- 70代海外旅行保険の選び方|70歳以上でも加入できる保険会社
- 海外旅行70歳以上の健康準備|かかりつけ医への相談ポイント
- シニア向けツアーの選び方|「ゆったり度」をチェック
- 持ち物リスト|70代ならではの必需品と便利グッズ
- よくある不安と解決策|体力・言葉・緊急時の対処法
70代海外旅行保険の選び方|70歳以上でも加入できる保険会社
70歳以上でも加入できる海外旅行保険は存在し、特に短期旅行であれば持病の悪化をカバーしてくれる心強いプランもあります。

70代の海外旅行において、他の何よりも優先して準備すべきなのが、自分に合った海外旅行保険への加入です。
これは単なる「お守り」ではありません。万が一、旅先で病気や怪我に見舞われた際に、数百万、時には数千万円にもなり得る高額な医療費から、あなたとご家族を守るための、まさに「生命線」なのです。
「でも、70歳を過ぎると保険には入れないのでは?」、「持病があるから、どうせ断られてしまう…」
そんな不安を抱えている方も多いかもしれません。
確かに、多くの保険会社の標準的なプランでは満69歳を上限としているため、この誤解が広まっています。
しかし、実際にはシニア世代のニーズに応える先進的な保険会社が存在し、インターネットで手軽に申し込むことも可能です。
大切なのは、諦めずに正しい情報を探し、ご自身の条件に合った最適な保険を見つけ出すことです。
インターネット加入可能な保険会社一覧
「70歳以上」と一括りにはできず、「持病の有無」や「旅行期間」によって最適な選択肢は大きく異なります。
ここでは、代表的な保険会社とその特徴を、70代の方が選ぶ際のポイントに絞って比較してみましょう。
保険会社 | 商品名 | 年齢上限 | 持病対応 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
損害保険ジャパン | 新・海外旅行保険【off!】 | 制限なし | 年齢によって保険料が変わらない 年齢不問で同一料金 | |
エイチ・エス損保 | たびとも | 制限なし | HISグループ・年齢制限なし | |
AIG損保 持病ありOK | 海外旅行保険 | 79歳まで | 持病の急激な悪化を補償 31日以内なら自動補償 | |
東京海上日動 持病ありOK | 海外旅行保険 | 制限なし | 70歳以上専用プランあり 31日以内なら自動補償 |
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特にAIG損保と東京海上日動が提供する「31日以内の旅行における持病悪化の自動補償」は、高血圧や糖尿病などの持病を持つ多くの70代旅行者にとって、これまで海外旅行をためらっていた大きな壁を取り払ってくれる、非常に心強い選択肢と言えるでしょう。
ただし、これはあくまで旅行中に「急激に悪化」した場合の「応急治療」に対する補償であり、元々の病気の治療そのものが目的となる渡航は対象外ですので、その点は注意が必要です。
クレジットカード付帯保険では不十分な理由
「年会費無料のカードにも保険が付いているから、わざわざお金を払って入る必要はないでしょう?」
と、お考えの方は多いのではないでしょうか。
しかし、この考え方は、特に70代の海外旅行においては極めて危険な落とし穴となり得ます。
その理由は、最も重要となる「治療・救援費用」の補償限度額にあります。
クレジットカード付帯の保険では、この治療・救援費用の補償額が200万円~300万円程度に設定されていることが多く、これは海外での高額な医療費をカバーするには全く不十分な金額です。出典:株式会社ジェーシービー
例えば、アメリカで盲腸の手術を受ければ200万円以上、心筋梗塞で入院し、医療専用機で日本へ搬送されるような事態になれば、1,000万円を超える費用が発生することも珍しくありません。
では、クレジットカード付帯保険は全く役に立たないのかというと、そうではありません。
その本当の価値は、別途契約した有料の保険の補償額に「上乗せする」という形で活用するところにあります。
死亡・後遺障害以外の補償項目(治療費用、賠償責任、携行品損害など)は、複数の保険で補償額を合算することが可能です。
例えば、契約した保険の治療費用が1,000万円、クレジットカードの治療費用が300万円の場合、合計で1,300万円まで補償されることになり、備えを格段に強化できます。
注意
クレジットカード付帯保険を利用する上で、絶対に確認しなければならないのが「自動付帯」と「利用付帯」の違いです。
- 自動付帯:そのカードを保有しているだけで、旅行代金の支払い方法に関わらず保険が適用されます。
- 利用付帯:そのカードで航空券やパッケージツアー料金などの旅行代金を支払うことで、初めて保険が適用されます。
この条件を確認せずに「保険が付いているはず」と思い込むのは、いざという時に全く補償が受けられないという最悪の事態を招きかねない、非常によくある失敗例です。
必ず、ご自身のカード会社のウェブサイトや保険規約で適用条件を確認してください。
海外旅行70歳以上の健康準備|かかりつけ医への相談ポイント
出発前の健康準備、特に「かかりつけ医への相談」は、安心して旅を楽しむために最も重要です。

海外旅行の計画を立てる上で、航空券やホテルの予約と同じくらい、いえ、それ以上に重要なのが、ご自身の健康状態と向き合い、万全の準備を整えることです。
特に70代からの旅行では、この出発前の健康準備が、旅の楽しさと安心感を大きく左右します。
この段階での準備は、現地での万が一の事態に備えるだけでなく、旅の間中心穏やかに過ごすための土台となります。
その中でも核となるのが、普段からご自身の体をよく知ってくれている「かかりつけ医」への相談です。
ご自身の健康状態と、これから向かう旅行先の環境や行動計画を照らし合わせ、専門的な視点から具体的なアドバイスを得るための、非常に重要な機会です。
例えば、ヨーロッパ旅行の前にかかりつけの先生に相談し、「今回は石畳の道を歩くことが多いのですが、膝は大丈夫でしょうか」「飛行時間が長いので、薬の飲むタイミングを教えてください」といった具体的な質問をしましょう。
この一手間が、現地での不安を大きく取り除いてくれます。
かかりつけ医への相談項目リスト
出発前に医師へ相談する際は、ただ「旅行に行きます」と伝えるだけでなく、以下のリストを参考に、聞き漏らしのないように準備して臨みましょう。
- 渡航の可否の最終確認:「【目的地】へ【何日間】旅行する計画ですが、現在の私の健康状態で、医学的に見て問題ないでしょうか?」と、まずは基本的な安全性を確認します。
- 具体的な服薬管理:「時差が【○時間】ある地域へ行きますが、毎日飲んでいる薬の時間は、日本時間のままが良いですか、それとも現地時間 に合わせるべきですか?
また、万が一の帰国便の遅延や紛失に備えて、旅行日数より少し多めに薬を処方していただけますか?」と、具体的に指示を仰ぎましょう。 - 緊急時の具体的な対処法:「私の持病に関して、旅行中に特に注意すべき初期症状はありますか?例えば、どのような状態になったら、すぐに現地の病院へ行くべきでしょうか?」と、緊急時の具体的な行動計画を一緒に考えておくと、いざという時に冷静に行動できます。
- 予防接種の相談:「旅行先の【目的地】で、高齢者が特に注意すべき感染症や、受けておいた方が良い予防接種はありますか?」と尋ね、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなど、一般的なものも含めて相談します。
- 必要書類の明確な依頼:「海外の税関や医療機関で、服用薬について説明を求められる場合に備えて、『英文薬剤証明書』を作成していただけますか?」と明確に依頼します。これは非常に重要な書類です。
英文薬剤証明書とは? なぜ必要なのか
英文薬剤証明書(または英文診断書)は、海外の税関や医療機関に対して、自身が携帯している医薬品が、医師の指示に基づいた正当な医療目的のものであることを証明する公的な書類です。
これがあるかないかで、万が一の際の対応が大きく変わることがあります。
特に、インスリンなどの注射薬、睡眠薬や精神安定剤、医療用麻薬に分類される痛み止めなど、国によっては持ち込みが厳しく規制されている医薬品を携帯する場合には、トラブルを避けるために必須となります。
これがないと、最悪の場合、薬を没収されたり、入国を拒否されたりする可能性もゼロではありません。
この書類は、かかりつけ医に依頼して作成してもらうのが一般的ですが、即日発行されるものではありません。
医師が内容を確認し、書類を作成するには時間がかかります。一般的に1週間から2週間程度、場合によってはそれ以上の日数を見込んでおく必要があります。
旅行計画の早い段階で、余裕を持って依頼することが肝心です。
費用は自由診療扱いとなり、数千円から数万円と医療機関によって大きく異なるため、依頼する前に必ず費用を確認しましょう。
ポイント
医師に相談する際は、ご自身の「お薬手帳」を必ず持参してください。
あなたが服用中の薬の正確な名前、用法、用量を伝えるための最も確実なツールです。
医師が英文薬剤証明書を作成する際にも、この情報が基になります。
海外旅行では、本物のパスポートと同じくらい大切に扱ってください。
紛失に備え、スマートフォンで全ページを写真に撮っておくとさらに安心です。
シニア向けツアーの選び方|「ゆったり度」をチェック
「シニア向け」と一言で言ってもその内容は様々。各社の特徴を深く理解し、ご自身の体力や旅のスタイルに合った「ゆとり」の形を見つけることが、後悔しないツアー選びの鍵となります。

海外旅行保険で安全の基盤を固めたら、次は旅そのものの質を決定づける、ツアー選びです。
書店やインターネットでパンフレットを眺めていると、「シニア向け」「ゆとりの旅」といった言葉が数多く目に飛び込んできます。
しかし、これらの言葉が示す内容は、実は旅行会社によって千差万別。
ご自身の体力や予算、そして「今回の旅で何を一番大切にしたいか」という目的に応じて最適な選択をすることが、心から満足できる旅行の実現には不可欠です。
例えば、ただ「ゆったり」と書かれているだけでは、具体的にどれくらい歩くのか、朝は何時に出発するのか分からず、かえって不安になってしまうこともありますよね。
ツアーのパンフレットに「1日の歩行時間は約1時間です」と具体的に書かれていたのを見て、「これなら自分でも参加できそうだ」と感じるのか、「2時間なんてとても無理」と感じるかは個人差がありますよね。
旅行会社の「シニア向けブランド」を徹底比較
大手旅行会社は、それぞれ特色のあるシニア向けブランドを展開しています。
ここでは代表的なものを比較し、どのような方に合っているのかを詳しく見ていきましょう。
クラブツーリズム「ゆったり旅」:快適さと価格のグッドバランス
その名の通り、ゆとりある旅程を重視した人気ブランドです。
このブランドの最大の魅力は、旅のペースが具体的に「見える化」されている点。
1日の総歩行時間(例:最長約3時間半)や、歩くペースの目安(例:平坦な道をゆっくり)が明記されているため、旅行者はご自身の体力に合わせて無理のないコースを選ぶことができます。
また、荷造りや移動の負担を減らすため、同じホテルに複数泊する「連泊」を基本とし、朝は遅めの出発、夕方は早めのホテル到着を心掛けたスケジュールが組まれています。
快適さと価格のバランスが非常に良く、「豪華すぎる旅は気後れするけれど、質の高い快適さは求めたい」という方に最適な選択肢です。出典:クラブツーリズム株式会社
JTBロイヤルロード銀座「夢の休日」:すべてが最高品質の、至高の旅
JTBグループの最高峰ブランドであり、快適さ、上質なサービス、そして徹底したパーソナライゼーションを追求する旅行者のための選択肢です。
最大の特徴は、ツアーの最大募集人員が10名までという究極の少人数制。
これにより、添乗員によるきめ細やかな配慮が隅々まで行き届きます。
航空機は全席ビジネスクラス以上を利用し、宿泊も選び抜かれたデラックスクラスのホテルのみ。
さらに特筆すべきは、出発前に経験豊富な添乗員から直接電話があり、個々の要望や興味に合わせて旅の提案をしてくれるサービスです。
価格は旅行市場の最上位に位置しますが、価格に見合う、あるいはそれ以上の特別な体験を求める方、一生に一度の記念旅行を考えている方に選ばれています。出典:株式会社JTB
阪急交通社「クリスタルハート」:信頼とゆとりの高品質ブランド
「時間や気持ちに配慮したゆとりの旅」をコンセプトに掲げる、JTBと並ぶ高品質ブランドです。
海外ツアーでは最大28名までの定員制とし、厳選されたホテルに宿泊します。
このブランドならではのサービスが、多くのコースで採用されているバスの座席を「おひとり様2席利用」とし、必ず窓側の席でゆったりと景色を楽しめる配慮です。
長時間のバス移動も、隣を気にせずリラックスできるのは非常に嬉しいポイントですね。
記念日での参加者にはささやかなプレゼントが用意されるなど、心温まるおもてなしも魅力です。
HIS:柔軟な選択が可能なアクティブシニア向け
上記の3社とは異なり、HISには特定のシニア向けスローペースブランドはありません。
その代わり、「アクティブシニア」をターゲットとし、既存の多種多様なツアーに、ビジネスクラスへのアップグレードなどの快適性を高めるオプションを追加するアプローチを取っています。
価格を抑えつつ、長距離フライトの快適性だけは確保したい、といった柔軟な選択が可能です。
また、より身体的なサポートが必要な方向けに「ユニバーサルツーリズムデスク」を設置し、車椅子を利用する方が参加できるツアーも企画しています。
ポイント
- 快適性強化型スタンダード(HISなど):基本的には自立して行動でき、旅のパーツ(航空券やホテルなど)ごとに快適性を自分で選びたい、アクティブな方向け。
- ペース配慮型プレミアム(クラブツーリズムなど):歩行距離や時間に配慮した専用ブランドを持つ。快適さと価格のバランスを重視し、安心してツアーに参加したい方に最適な、最も標準的な選択肢。
- 至高のフルサービス・ラグジュアリー(JTB、阪急交通社など):旅のあらゆる側面で最高レベルのサービスと配慮が提供される。予算よりも、最大限の快適性、安心感、そして特別な体験を優先する方向け。
ご自身の体力、旅の予算と照らし合わせて検討してくださいね。
持ち物リスト|70代ならではの必需品と便利グッズ
旅の快適さと安心は、周到な持ち物準備に大きく左右されます。特に70代の旅行では「もしも」に備える健康管理グッズと、身体への負担を減らすサポートグッズが不可欠です。

海外旅行の準備で、スーツケースに荷物を詰める作業は心躍る時間ですが、同時に「何を持っていけば良いのだろう?」と頭を悩ませる時間でもありますよね。
特に70代からの旅行では、若い頃と同じ感覚で準備をすると、現地で「あれを持ってくれば良かった…」と後悔することになりかねません。
ご自身の体をいたわり、万が一の事態に備え、そして旅のあらゆる瞬間を快適に過ごすための「戦略的な持ち物選び」が重要です。
ここでは、着替えやお風呂用品など一般的な旅行の持ち物以外で、70代ならではの準備しておきたいグッズを紹介します。
「なぜそれが必要なのか」という具体的な理由や、私の経験から得た「ちょっとしたコツ」も交えていますので、リストを参考にご自身に必要なものを検討してみてくださいね。
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【最重要】必ず持っていくべき健康管理グッズ
必ず、スーツケースではなく、すぐに取り出せる機内持ち込み用の手荷物に入れてください。
- 常備薬・処方薬(予備も十分に):旅行日数分ぴったりではなく、最低でも3〜4日分、できれば1週間分多く準備しましょう。
帰国便の遅延や欠航といった不測の事態は、意外と起こり得ます。必ず、処方されたままの元の包装や容器で持参してください。
中身をピルケースに移し替えてしまうと、税関で何の薬か説明を求められた際に困ることがあります。 - お薬手帳(コピー・写真データも):現地で急に医療機関にかかる際、これを提示するだけで、服用中の薬の正確な情報を瞬時に伝えられます。
紛失に備え、コピーを取り、さらにスマートフォンのカメラで全ページを撮影してデータとしても保存しておくと万全です。 - 英文薬剤証明書:前述の通り、持病がある場合はかかりつけ医に作成を依頼しておくと、この上ない安心材料になります。
- 携帯型血圧計:高血圧の持病がある方には必須アイテムです。
長時間のフライト後や、観光で歩き回った日の夜など、環境の変化が血圧に与える影響は少なくありません。
毎日決まった時間に測定し、手帳などに記録する習慣をつけることで、ご自身の体調を客観的に把握することができます。 - 使い慣れた日本の市販薬:痛み止め、胃腸薬、下痢止め、乗り物酔いの薬、湿布薬など、普段からご自身が飲み慣れていて、「これは効く」と分かっている日本の製品を持参するのが一番安心です。
海外の薬は成分が強すぎたり、体に合わなかったりすることがあります。 - 保湿クリーム・リップクリーム:航空機内やホテルの客室は、想像以上に乾燥しています。
肌が乾燥してかゆみが出たり、唇が荒れたりすると、それだけで不快な気分になり、旅の楽しさも半減してしまいます。
こまめな保湿は、快適な旅を維持する上で非常に重要です。 - 除菌ウェットティッシュ・携帯用アルコールジェル:手指の消毒はもちろん、航空機のテーブルや肘掛け、レストランのテーブルなどを食事の前にさっと拭くことで、接触感染のリスクを大きく低減できます。
身体の負担を劇的に減らすサポートグッズ
「疲れ」は、旅の楽しさを奪う最大の敵です。
身体への負担を少しでも減らすための工夫が、旅全体の満足度を高めます。
- 履き慣れた快適な靴(できれば2足):持ち物の中で最も重要と言っても過言ではありません。
軽くてクッション性に優れ、靴底が滑りにくいウォーキングシューズなどを選びましょう。
旅行のために新しい靴をおろすのは絶対にやめてください。必ず、事前に何度か履いて、自分の足に完全に馴染んだものを持参します。
できれば、もう1足持参して、一日ごとに交互に履くのが理想的です。同じ靴を毎日履き続けるよりも、足への負担を分散させることができます。 - 着圧ソックス:長時間のフライトにおける深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)を予防するための、医療的な観点からも非常に重要なアイテムです。
血行を促進し、足のむくみやだるさを劇的に軽減してくれます。飛行機に乗る際は、必ず着用するようにしましょう。 - 軽量な羽織もの(温度調節の達人):小さく折りたたんでバッグに入れられる、カーディガンや薄手のダウンジャケット、大判のストールなどは非常に重宝します。
冷房が効きすぎた機内や美術館、レストラン、そして朝晩の急な冷え込みなど、海外では一日の寒暖差が大きいことがよくあります。体温調節の失敗は体調を崩す大きな原因になります。 - ネックピロー、アイマスク、耳栓:飛行機や長距離バスでの移動中、質の高い休息を確保するための「三種の神器」です。
特にネックピローは、空気で膨らませるタイプならコンパクトに収納でき、荷物になりません。慣れない環境でも、これらがあるだけで睡眠の質が格段に向上します。
これもあると便利!
- 「S字フック」:海外の空港やレストランの狭い化粧室で、床に置きたくないバッグをドアに掛けるのに非常に役立ちます。
- 「小さな洗濯ばさみ」:ホテルの部屋でちょっとした手洗いをしたものを干したり、食べかけのお菓子の袋を閉じたりと、意外な場面で活躍する万能アイテム。
どちらも100円ショップなどで手軽に購入でき、ほとんど荷物にならないので、ぜひスーツケースの隅に入れてみてください。
よくある不安と解決策|体力・言葉・緊急時の対処法
具体的な行動計画を立てておくことで、リスク管理しやすくなります。さらに、いざという時のための対処法を知っておくことが、旅を楽しむための最大のお守りです。

どれほど入念に準備をしても、「もしも、旅先で体調を崩したら…」「もしも、言葉が通じなかったら…」といった不安がありますよね。
しかし、大切なのは、その「もしも」の事態に、具体的にどう行動すれば良いかを知っておくことです。
70代の旅行で遭遇しやすいトラブルへの具体的な対策と、実際に困った際の冷静な対処手順を、私の経験も交えながらマニュアル化し、皆様の不安を解消します。
70代に多い健康トラブルと予防策
海外旅行という非日常の環境は、普段は何ともないことでも、予期せぬ健康トラブルの引き金になることがあります。
転倒・骨折
ヨーロッパの美しい石畳、歴史ある寺院の少し高い敷居、ホテルのバスルームの段差など、慣れない土地には転倒のリスクが潜んでいます。
旅の開放感から景色に気を取られ、足元への注意が散漫になることも大きな原因です。
私自身、パリの石畳でつまずきそうになり、ヒヤリとした経験があります。
対策:何よりもまず、滑りにくく、足全体をしっかりと支えるウォーキングシューズを履くこと。
そして、少しでも足元に不安があれば、ためらわずに折りたたみ式の杖を使用しましょう。
「杖なんて格好悪い」という気持ちは捨てて、安全を最優先することが大切です。
また、時間に追われて焦ると、注意力が低下します。常に時間にゆとりのある行動を心掛け、暗い場所や濡れている場所では特に慎重に歩きましょう。
持病の急激な悪化
心臓病、高血圧、糖尿病といった慢性疾患は、長時間のフライトによる気圧の変化や乾燥、慣れない食事による塩分・糖分の過剰摂取、時差ボケによる不規則な生活リズムといった、旅ならではの様々なストレスによって、症状が急に悪化することがあります。
対策:服薬スケジュールを厳守することが基本です。
時差がある場合の服薬タイミングは、必ず出発前にかかりつけ医と相談しておきましょう。
また、血圧や血糖値を定期的に自己測定し、記録することで、体調の変化を客観的に把握できます。
「今日は少し血圧が高いから、午後の観光はやめてホテルで休もう」といった、勇気ある決断が重要です。
そして、お薬手帳や英文薬剤証明書などの医療情報は、常に携帯してください。
感染症・エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)
衛生状態の異なる地域での食事による旅行者下痢症、航空機内など閉鎖された空間での呼吸器感染症、そして長時間同じ姿勢でいることによる深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)は、海外旅行の三大リスクと言えます。
対策:食事の前には必ず手洗い、または除菌ティッシュで手指を清潔にする習慣をつけましょう。
水分は必ず封のされたペットボトル入りのミネラルウォーターを飲み、水道水や氷、生の野菜には注意が必要です。
エコノミークラス症候群予防のためには、フライト中は着圧ソックスを着用し、こまめに水分を補給します。
また、1〜2時間に一度は、足首を回したり、かかとを上げ下げしたり、安全が確認できるタイミングで少し通路を歩いたりするなどの運動を心掛けましょう。
現地で体調不良になった際の対処手順
万が一、現地で体調を崩してしまった場合、パニックにならずに以下の手順で行動することが重要です。
- 我慢せず、すぐに助けを求める
「これくらい大丈夫だろう」「少し休めば治るだろう」と我慢するのは、最も危険です。
症状が軽いうちに、すぐに周囲に状況を伝えます。ツアー参加中であれば添乗員に、個人旅行であれば滞在先のホテルのフロントデスクやコンシェルジュに、ためらわずに助けを求めてください。
彼らは外国人観光客の対応に慣れています。 - 【最重要】契約した保険会社に電話をする
契約した海外旅行保険証券に記載されている24時間365日対応の日本語アシスタンスサービス(海外メディカルヘルプラインなど)に電話をします。
この電話番号は、出発前に必ずスマートフォンに登録し、さらに紙にも書き出して財布などに入れておきましょう。
保険会社は、以下の対応をすべて日本語で行ってくれます。- 症状に応じた、最も適切な病院の紹介
- キャッシュレス(自己負担なし)で受診できる提携病院の手配
- 必要に応じた医療通訳の手配
- 病院へ行く準備をする
保険会社の指示に従い、病院へ向かう際には、以下のものを必ず持参します。- パスポート(身分証明のため)
- 海外旅行保険の契約証(または契約番号がわかるもの)
- クレジットカードと、ある程度の現地通貨
- お薬手帳と英文薬剤証明書
- 医師の指示に従い、すべての書類を保管する
現地の医師の診断と治療方針に従って適切な処置を受けましょう。
そして、保険金の請求に必要となる診断書 (Medical Report) と領収書 (Receipt) は、薬代などの些細なものでも必ず全て受け取り、紛失しないようにクリアファイルなどにまとめて保管しておきましょう。
緊急連絡先は、目的によって分けて記載しておくと、いざという時にスムーズに行動できます。
- 医療に関する緊急事態 → 契約している保険会社の日本語アシスタンスサービス
- 犯罪被害(盗難など)やパスポート紛失 → 現地の日本大使館または総領事館
- 身近な手助け(タクシー手配など) → ツアーの添乗員やホテルのスタッフ
また、外務省の海外渡航登録サービス「たびレジ」に登録しておけば、大規模な災害や事件が発生した際に、安否確認や支援に関する情報を大使館から直接受け取ることができます。
個人の力だけでは対応できない事態に備えるための重要なライフラインなのでぜひチェックしておきましょう。出典:外務省
70代海外旅行おすすめ5選!安心の準備と注意点まで完全解説【まとめ】
- 70代の海外旅行は、いざという場合に備えた周到な準備が成功の鍵
- 旅先は、移動時間が短く、治安や衛生面で安心できる台湾やハワイが人気
- シンガポールや韓国も、卓越したバリアフリーや近さの面でおすすめの選択肢
- 移動の負担をなくしたいなら、「動くホテル」である日本発着のクルーズ旅行も理想的
- 70歳以上でもインターネットで加入できる海外旅行保険は存在する
- 特に31日以内の旅行なら、持病の急激な悪化を補償する特約付きの保険が心強い味方
- クレジットカード付帯保険は、治療費の上限が低い場合が多く、単体では不十分。「上乗せ補償」として活用するのが賢い使い方
- 出発前には必ずかかりつけ医に相談し、必要であれば英文薬剤証明書の準備を検討する
- シニア向けツアーは「ゆったり度」や「1日の歩行時間」などの具体的な指標を確認し、自分の体力に合ったものを選ぶ
- 持ち物は、履き慣れた靴とお薬手帳が何よりも重要
- 着圧ソックスや軽量な羽織ものなど、身体の負担を減らす工夫が旅の快適さを左右する
- 現地で体調を崩したら、我慢せずにまず保険会社に電話することが最優先の行動
- 緊急連絡先は「医療は保険会社」「領事案件は大使館」と役割ごとに整理して理解しておく
- 体力、言葉、費用の不安は、事前の正しい情報収集と具体的な準備で、そのほとんどが解消できる